ようかんのちょっとひとくち

 暖冬のお陰で早くも春めいた日差しを浴びる日があり、三月並の暖かさを覚えてしまった体に夜の冷え込みは一層厳しく感じられ、整った空調設備を持たぬ貧者を震え上がらせます。
 いけないことと知りながら、ストーブの上に薬缶や鍋を置くのも強いては暖を取るため。ストーブをそのまま点火するのと、上で煮炊きするのとでは違いは明らか。後者の方が部屋が暖まり、部屋に広がる適度な湿気は、乾いた外気に晒された鼻や喉を少なからず潤ってくれます。

 裏にまわれば息が白くなるくらいの小さな石油ストーブでも、点けている間はそれなりに暖かいものです。それでも、タイマーが付いているエアコンやファンヒーターと違い、就寝前には消さなくてはなりません。火鉢の炭火も同じ、点きっ放しでは安心して眠れません。さあ、問題はそれからなのです。暖房が止められた部屋には容赦なく隙間風が通り、一刻を争い布団に潜らなければなりません。
 貧者の夜の友、湯たんぽを持つ方々は温かい布団に入ることができますが、私をはじめ、夜の友さえ持てない者たちは皆、ストーブや火鉢など部屋の暖房を消して布団に入るとき、その布団の冷たさに思わず身体を丸め、縮み上がることでしょう。毛布を二枚持っていて上下に敷くことができたり、ボアシーツなどを敷いている方なら体を丸めずに休めますけれど、毛布が一枚しかない貧者たちは冷え切った敷布団に体温を奪われ、縮み上がるしかないのです。

 一枚の毛布を効率よく使い、暖を取るには体に巻きつけるのが最も良い方法かと思います。身体の側面を毛布で閉じて、掛け布団の隙間から入り込む冷気をシャットアウト。外気から身を守り、体温が奪われるのを防ぐためには誰でもこの方法を思いつく事でしょう。ただし、身体の上に掛けた毛布の端を身体の下に巻き込むのはよくありません。身体の上側全面を閉じてしまうのは、ともすれば危険きまわりない行為。火事や地震などは夜間に発生する事もあり、すわ地震!!といった時に毛布を身体の下側に巻き込んでいたのでは、毛布で縛られているようなもの。寝ぼけ眼で飛び起きようにも身体の自由が利かず、逃げ遅れてしまうかもしれないのです。

 有事の際に落ち着いて行動する事ができるように、毛布は身体の前で重ね、閉じ合わせるようにしておきたいものです。そのためには先ず毛布を敷布団の上に敷き、蛇腹に畳んだ掛け布団を足もとに置きます。枕の位置を決めてから毛布の上に足を伸ばして座り、足元の毛布を上に折ってつま先を包みます。次に毛布の側面を左右から折り重ね、足から腰をくるんでいきます。腰まで包んだのち、足元の掛け布団をひっぱりながら身体を倒していき掛け布団を掛けた状態にします。
 そして、掛け布団の下で毛布の両端を持ち、お腹から胸・胸から肩をいっきに包み込めば身体全体を毛布で包み込む事が出来ます。両腕も毛布の中に入れましょう。こうしておけば、毛布を左右に開くだけで簡単に掛け布団を剥げ、何かが起こったとしても瞬時に対処できるからです。

 ストーブを消す前に、軽くストレッチなどして体を解せば血流も増して暖かさも倍増。一枚きりの毛布でも、身体に巻けば上下二枚分の効果がでます。この状態を保ったまま眠る事が出来れば、湯たんぽを恋しがる必要も無いほど朝までぐっすり。目覚めの時、身体が暖かいままで起きられるか、寝冷えしてお腹をこわし鼻水を垂らして起きるのかは全てが貴方次第。貴方の寝相によって決まるのです。

よ

招きます 筆者紹介:ようかん
日本生まれ、国内在住。
図書館で出会った「貧乏神髄」に惹かれ、会長のサイト見たさにパソコンを覚え今に至る。
猫好きだが借家のため飼う事が出来ず、
二匹の招き猫と暮らしている。

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