ようかんのちょっとひとくち

 ひとり寝の侘しき布団冷え居りて人肌恋し春まだ遠く。

 冷たい北風に晒されながら家路を急ぎ、芯まで冷え切った身体に何よりのご馳走となる、お風呂。脱衣所で身を震わせつつ服を脱ぎ、温かい湯船にかじかんだ身体をゆっくりと沈める瞬間は、極楽に行ったことが無い人でも思わず、極楽、極楽と有り難がってしまうくらいに至福の瞬間なのです。

 冬場にはかけ湯をするのももどかしく、さっさと湯船に浸かりたいものですが、せっかくお風呂を立てたのですから、残り湯もきれいなままで利用したいものです。夏とは違い、汗でベトベトするわけもなく、身体は汚れていないように感じてしまいますが、夏冬問わずに汚れるのがお尻の辺り。シャワーが付いたセレブなトイレをお持ちの方には関係が無い話なのですが、水洗トイレが精一杯の貧者ならば誰しも、紙できれいに拭き取ったつもりでも汚れが落ちていないらしいのです。かけ湯の後に下を洗う癖をつけておけば安心して残り湯で洗濯や拭き掃除が出来ますし、温泉旅行などに誘われた際にも不躾にならず、ひんしゅくを買わずに済みます。

 さて、湯船に浸かり温まった後は髪や身体を洗います。髪を洗うのは毎日でなくてもいいのですが、洗髪する日には真っ先に髪から洗うようにします。これは、先に体を洗ってしまうと洗った体にシャンプー・リンスが流れ落ち、それを落とすためにかけ湯の量が増えるのを避けるためです。髪を洗い終えたなら次に洗顔。私はいつも、体を洗う準備として浴用タオルに石鹸を泡立たせ、そのとき手についた泡で洗顔しているのですが、「そんな男肌とは違うわ」と思う方は御自分の肌に合うもので洗顔なさってください。

 洗顔が済んだ後、首から順に下方に向かい体を洗いましょう。温かいのは湯船だけ、洗い場も冷える冬には、順を追って効率よく洗わないと体が冷え始めます。わきの下や指の股など、肌が触れ合う場所は丁寧に、特に足の指には汚れが溜まっていますので、水虫を飼っている人はもちろん、飼っていない人も丹念に洗いましょう。ただし、強くこすり過ぎないようにします。
 体を洗い清めた後、再び湯船に。溢れるくらいに張った湯に肩までどっぷりと浸かりたいところですが、それは贅沢というもの。持病のある方にも、お湯の圧力はよくありません。お湯の量はできれば心臓すれすれの位置にします。もちろん、冬にそれでは両肩が冷えてしまいますので、肩にタオルをかけ、時折、タオルにお湯をかけながらゆっくりと浸かりましょう。

 ぬるめのお湯にゆっくり浸かった後は、乾いたタオルでカラカラになるまで体を拭きましょう。ここで気をつけなければならない事は足先の拭き方。体をしっかり拭いても足の裏はバスマットに擦るだけで終わる人もいるようですが、これでは折角温まった体も直ぐに冷えてしまいます。足の指の間から湿気が飛ぶまで拭くことです。冷え性だからと、お風呂から上がってすぐに靴下を履く方は特に気をつけましょう。指と指の間に湿気が残っているならば靴下を履いたとしても逆効果。温まらないばかりか靴下のせいで足が乾かず、逆に冷えてしまうことがあるのです。

 お風呂に入ったのだからと、バスタオルを使う必要はありません。拭きやすい浴用タオルを二枚用意しておき、一枚目で大方の水気をさっと拭き取った後、二枚目のタオルできゅっきゅっと軽く力をこめて拭き取るなら、昔懐かしい乾布まさつの効果もでて、冷え知らず、風邪知らずの健康的な入浴タイムとなり、ひとり寝の貴方の体もぽかぽかと温たまることでしょう。

よ

招きます 筆者紹介:ようかん
日本生まれ、国内在住。
図書館で出会った「貧乏神髄」に惹かれ、会長のサイト見たさにパソコンを覚え今に至る。
猫好きだが借家のため飼う事が出来ず、
二匹の招き猫と暮らしている。

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