ようかんのちょっとひとくち

 食は身体の基本。貧者の基本は身体。少し冷えてきたからと風邪をひき、薬だ医者だとお金を使っていては、貧者の財布なんてすぐに底が見えてしまいます。毎日を健やかに過ごすために、でんぷん喰いに走ったり、腹持ちをよくするための油料理に走ったりすることは避け、メタボリック知らずで医者要らずの健康体で居ることが、貧者の必須条件なのです。

 ただでさえ軽い財布の中から、充実した食事を作り出すのは容易なことではありません。お買い得品を求めてスーパーに通い、ときには目玉商品を得るために、開店前の長蛇の列に加わることも必要になってきます。日曜日の朝に見られることが多い、『超目玉商品の行列』に加わる際によく行なわれるのが、「後ろから押す」行為です。
 これは私の体験ですが、後ろからカートで押された拍子に前の人にぶつかり、ぶつかった相手から「肘鉄」をくらわされたことがあります。悲しい出来事でしたが、人間の嫌な一面を思い知らされたいい経験として、心に残っています。

 列に並ぶ人にとって、超目玉商品を手に入れたいと思うのは誰でも同じ。カートやレジ籠で臀部をぐいぐい押されても、いい気持ちにはなりません。はやる気持ちを抑え、人と談笑しながら並ぶのは、傍から見ても微笑ましいものです。行列に加わる時には騒がず押さず、平穏な気持ちで並ばれるのをお勧めします。運悪く自分の前で品切れになったとしても、店員に逆切れすることなく、速やかに列から離れましょう。

 スーパー内に点在する見切り品のコーナーは、消費期限が迫った格安商品を手に入れるチャンスですから、避けて通るわけにはまいりません。半額シールを目印に、積極的に覗いてまわりましょう。此処でもレジ籠の位置に注意し、同じコーナーを見る他の仲間たちに気を配りたいものです。真ん中にカートやレジ籠を構え、コーナーを独り占めするような行ないには、浅ましささえ感じます。貧格を持った貧者なれば、レジ籠は常にコーナーの脇に位置付け、他の仲間が食材を探す場所を空けておくのを忘れないようにします。

 次に、見切り野菜のワゴンも見逃せません。当然ながら、見切り野菜には消費期限がついておらず、ここでの選び方は貴方の腕にかかってきます。ワゴン上の見切り品が野菜くずに等しいものなのかどうなのかを、鋭く見極めねばならないのです。
 葉もの野菜は鮮度が一目瞭然で、選びやすいものですし、根菜の人参や大根も、しっぽが痛んでいるくらいは何ともありません。いい具合にしなびた大根は、漬物や切り干しにすれば美味しく食べられるので、求めたい品物のひとつです。ただし、厚い皮におおわれた食材には、裏切られることが多々あります。手にとり、そっと裏返し、納得して選んだはずのグレープフルーツを切ってみたら、期待はずれでジュースも搾れない。これぞ!と買い求めた里芋の皮を剥いたら、色白のはずだった肌が何やら変色している。半分以上を削り取り、残りは僅か一口分だけ・・。これでは、「お買い得」も何もあったものじゃありません。

 『貧すれば鈍する』といいますが、貧すればこそ鋭敏になり、見た目に惑わされることなく、よいものを選び抜く力を身につけたいものです。自分で選んだ見切り野菜が半分以上ゴミになってしまえば、それは貴方の財布と身体に直接響いてくるのです。大切な財布の中身をゴミのような安物で失うか、バランスの良い食事を市価の半値以下で揃えられるのかは、全て貴方の力量次第。見栄っ張りな外見に騙されずに『もの』を見極める力をつけ、スーパーへと出かけるのであれば、貴方の財布もお腹も大満足。より健やかに、満ち足りた日々を過ごせることでしょう。

よ

招きます 筆者紹介:ようかん
日本生まれ、国内在住。
図書館で出会った「貧乏神髄」に惹かれ、会長のサイト見たさにパソコンを覚え今に至る。
猫好きだが借家のため飼う事が出来ず、
二匹の招き猫と暮らしている。

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