ようかんのちょっとひとくち
セピアな色に染めないで

野菜を育て 花を咲かせる
着物を縫い 編み物をする
壊れたものを直し
生活に必要なものを揃える手
さまざまな手がお金に換わりはじめた


 今までに色々なものを作ってきた。数えるとキリが無いくらい。例えば籐かご。布染めからはじめる造花。家中のカーテンを縫い、その余り布でお気に入りのロッキングチェアーの張替えもし、お揃いの布でクッションも作った。
そのロッキングチェアーに揺られながら楽しむ編物も外せない。
そうね、私の中で編物ほど手作り感があるのは他に考えられないかも。

 完成品を身につけるのはとても嬉しいことだけど、毛糸の魅力は何度でも編み返しができるってこと。もちろん、誰かに頼まれたものや贈り物を編む時には新しい毛糸を用意するわよ。でも自分のものは別の話。着古したものを解きながら、『かせくり器』で巻き取っていき束になった毛糸をそっと押し洗い、今度はその束を『かせくり器』にかけ、手で巻き取りながら毛糸玉を作り、別の作品に編み上げていく。
 セーターなど大きなものを解き、磨り減って細くなった毛糸を処分して残り毛糸でマフラーやベストなど小さなものに編み直す。痛みがでたらまた解いては一本の毛糸にする私にとって『かせくり器』は無くてはならないもの。
少しの毛糸でも無駄にしないように洗ってはかせくり器にかけ、毛糸玉にしてためておく。そうして少しずつためておいた色とりどりの毛糸を配色に気を使いながら編みこむことが一番楽しい時間。

 リスなどの小動物が寝床を整え食料を蓄えるように、寒い冬の間は家の中でこそこそと動き回り、お金をかけずに自分の周りを過ごしやすく整えることが楽しい。冬には冬の過ごし方があり、また、春には違う楽しみがある。

 裏庭に自生している匂いすみれが咲き始めると春はもうすぐ。
今年はじめて、濃い紫のすみれの花を摘み、卵白をつけてから粉砂糖をふりかけ、『すみれの花の砂糖漬け』に挑戦してみた。今のところいい感じに仕上がっていて匂いもそのままで完成が待ち遠しい。

 ぷち自給のための小さな畑(プランター栽培のこと・笑)では芹が芽を出し、その横では秋に植えた大蒜の茎が太くなっている。ハーブたちも元気だ。
スポンジごと植えた三つ葉の葉も小さな芽を出し始め、鉢植えのチャイブも無事に冬を越した、この分だと今年も可愛い花を咲かせてくれそう。
ネギぼうずを小さくしたような丸いピンクの花が咲くチャイブ。
 去年までは花も食べられるということを知らずに葉だけを食べていたので今年は花も食べてみたい。どんな味かわからないけれどサラダの上に花を散らして飾れば見目もよく、何より『花を食べる』と言うこと自体が何だか蜜蜂にでもなったような気分になるだろうと今から花が咲くのを楽しみにしている。
 ちゃんとした畑を持っている人が見たら笑っちゃうような小さな小さな畑でも手間をかければそれなりに育ってくれ、収穫の時には嬉しくなる。 自分だけの密かな楽しみ、手作り感たっぷりのぷち自給。

 もう少し暖かくなると裏庭に蝶が飛び、蜜蜂が花を探しにやって来る。 そうなると私も毎日気が抜けない、例年通り爽やかなペパーミントの葉を口に忍ばせながら、だいじな作物を食べる虫たちを探さなくてはならない。
(ペパーミントを口にしていれば、妙な毛虫を見つけても叫ばずに済むので毎年、虫探しには葉っぱを噛むようにしている。) 割り箸を手にして、忙しく飛び回る蜜蜂に負けぬように私もあっちのプランター、こっちの鉢植えへと忙しく渡り歩き、毛虫や青虫を捕まえる。
捕まえた虫たちは地面に掘った穴に埋めてしまう、・・そして踏む。
・・ちょっと残酷?でもうちの畑(笑)は無農薬なのよ、薬品は苦手なの。

 お豆腐に芹の胡麻和えを乗せたり、澄まし汁の吸い口にネギ代わりのチャイブを添えたりと、手作りの春を食べられる日はもうすぐ。

かせくり器 これぞ本当のリ・サイクル

−− ロッキングチェアーに揺られ
編物を楽しむのは夏本番を迎えた頃 −−
よ

招きます 筆者紹介:ようかん
日本生まれ、国内在住。
図書館で出会った「貧乏神髄」に惹かれ、会長のサイト見たさにパソコンを覚え今に至る。
猫好きだが借家のため飼う事が出来ず、
二匹の招き猫と暮らしている。

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ようかんのちょっとひとくち 耐乏PressJapan.
発行:全日本貧乏協議会
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