ようかんのちょっとひとくち
【前かごの日に照らさるるレジ袋透けて見えるか半額シール】

私にはスーパーへ出かけるたびに真っ先に半額コーナーのワゴンに直行する癖がついている。
バランスの良い食事を日に三度食べ、できるならおやつも口に入れたい。
使えるお金が決まっている以上出来る限り無駄な出費を控え食費に充てたいという思いから、我が家を中心に点在する四つのスーパーのお買い得品を目指し自転車で走り回る日々。

無駄な出費を避けるために、長い間使っていたお気に入りのガラス製麦茶ポットが割れてしまったときにさえ、買い替えるのを惜しんで、麦茶ポットの代役に醤油の空きボトルに目をつけ使ってみたところ、いつまでたっても醤油の香り漂う麦茶を飲む羽目になってしまったこともあったけれど、そのときは無駄な出費を押さえたことに対しての満足感でいっぱいだった(笑)。

それなのに、ああ、それなのに新年早々 勿体無いことをしてしまった。 事の発端は大豆。乾物豆二袋分の大豆をストーブで煮ていたときに小さな事件勃発。

乾物豆を煮る時にはストーブの火力が一番。吹き零れを防ぐために鍋蓋をすこしずらせてストーブの上に置き、水を足しながらコトコトと煮ていけばそれだけでふっくら美味しい水煮大豆ができ上がるので、豆を煮る時にはストーブに任せっきりにしておく。
煮て冷ましたものを小分けして冷凍保存しておけば手間も省け、いつでも美味しい煮大豆が食べられるので一度にたくさん煮るようにしている。
で、今回もいつものように、乾燥豆二袋分を前夜から水に浸しておいたものを鍋に入れ、後をストーブにお願いして編物をすることに。時折、鍋に目を向けていたものの暫く編物に熱中していたら、鍋のコトコト音が大きくなり、目の端っこにストーブの上から何かが転がり落ちるのが見えた。

ポップコーンじゃあるまいし、豆が跳びはねるはずも無く落ちていたのは鍋蓋のつまみ部分。
以前からひび割れていた鍋蓋のつまみに限界が来たようで、拾って見るとつまみ部分のネジ穴が欠けて直そうにも直せない状態。昔の私ならここで新しい鍋を買う理由が出来たと小躍りして喜んだだろうけど哀しいかな今は貧者の身。
故につまみが壊れたくらいで鍋を買うなんてもってのほかだと思うのよ。

「鍋蓋のつまみなら百円ショップに売っていたはず」
ひとり呟き、鍋を買うよりは安いだろうと早速出かけて同じような大きさの『つまみ』を買ってきたのはいいけれど、合わない。ネジが太すぎで鍋蓋の穴に通らないの。
ああ、そうですか、それならば、と、ちょっと遠くのホームセンターまで出向き、これならどちらかが使えるだろうと大小セットになった『つまみ』を買って帰り、『大』のつまみをあわせてみたけれど合わない。
ふふっ、でもこの小さい方のつまみなら、・・・・合わない。
どういうことよっ、買ってきたつまみ全てのネジが同じ太さだなんて!   太すぎるのよネジがっ!

買ってきたものが使えなかったなんて初めての経験。なんてもったいない。
超特価の鍋ばかり寄せ集めた付けがこんな形で回って来ようとは思いもしなかった。
こんなことなら最初から新しい鍋を買えばよかった。
つまみのパッケージにはネジの太さなんて書いてなかった。
一体どんな鍋用のつまみなんだろうか・・もういいや、このまま使えるだけ使おうっと。
この古鍋、よく見れば取っ手もひび割れてるし(笑)。買い替えるのは時間の問題かも。

ストーブの上で穴の開いた蓋を乗せた鍋が静かに音を立て始めた。

−− うちにある鍋全てに合わなかった鍋蓋のつまみ、
小麦粉約三キロ分が無用の長物と化したショックは大きい −−
よ

招きます 筆者紹介:ようかん
日本生まれ、国内在住。
図書館で出会った「貧乏神髄」に惹かれ、会長のサイト見たさにパソコンを覚え今に至る。
猫好きだが借家のため飼う事が出来ず、
二匹の招き猫と暮らしている。

ホームへ戻る このコンテンツのホームへ このページのトップへ
---
ようかんのちょっとひとくち 耐乏PressJapan.
発行:全日本貧乏協議会
COPYRIGHT © Takuya Kawakami. ALL RIGHTS RESERVED.
掲載されている写真・文章等の無断転載は硬くお断り致します
takuya.kawakami@gmail.com