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2004年8月号
創刊5周年記念特大号
2004年9月6日発刊
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第一特集記事
第二特集記事
連載記事
投稿記事
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秘伝のタレを隠し持とう!
手早く簡単、独自の風味
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今年も半年以上が過ぎ去った頃にお贈りする料理強化年の第二弾は、秘伝のタレ。ちょっとの手間で、炊事も料理も幅が広がっちゃいますよ。材料も、ほぼ、ご家庭内の標準装備品だけという手軽さで、あなたも秘伝を持ててしまうのです。 |
| ◆育成という秘伝の技 | |
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石下の町では、秋の気配を感じられるようになりました。 こうなると、猛暑で完全に夏バテとなった僕も次第に食欲が回復しまして、けれど、台所で長時間の火を見つめ続けるだけの気力はまだないわけで、日々の自炊における献立をどうするかについては、色々と苦労を強いられます。なにせ、まだ食欲は完全ではありません。 もし、そういう状態でも、とりあえずなんでも美味しく食べられてしまうような魔法のタレでもあれば、米を炊き、野菜を炒めるか茹でるかすれば立派な食卓となるのになあ……なんて話になるわけですけれど、実は、我が台所にはそんな魔法が隠されていたりするのですから、猛暑さえ過ぎれば話は早いのです。 これもひとえに、秘伝のタレを育て続けてきた甲斐があったというものです。 そう、育てちゃうのです。ペットでも野菜でも人間だろうと、育てるというのは、まず、楽しいのです。嫌いな奴を教育するのは疲れますけれど、なにせ、今回の生徒は秘伝のタレ。二流雑誌や三流テレビジョン放送が好んで使いそうな“秘伝”の二文字、こいつの創造主になれるのですから素敵ではありませんか。なんのことはありません。秘伝なんてすぐそこにあるのですから、さも大変なそぶりで紹介する必要などないのです。 少々の手間はかかりますけれど、これを面倒だと思うならば化学調味料の虜として一生を終えることをお勧めします。そう、育てた先には、手間を省きながらもより一層の旨味という快楽が待っているのです。 ありきたりな材料に手間と時間を加えることで秘伝へと化ける。そんな瞬間を、あなたにもそっとお知らせいたしましょう。 | |
| ◆まずは“ありきたり”で土台作り | ||
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では早速、秘伝のタレを構成する基本材料をご紹介します。
以上です。 いやまあ、昔は高級品だったとはいえ、本当にありきたりの調味料ですね。こんな材料で本当に旨味が得られるのかと訝しがるかもしれませんけれど、基本なんていうのはこんなものです。なんだって、育たなければ力は得られません。赤ん坊には泣くことしかできないのと一緒なのです。 そんなわけで、秘伝として育てるための簡単な儀式を執り行うといたしましょう。 手始めに、酒を鍋に注ぎます。とりあえず三合くらい使いましょうか。ちなみに、これは日本酒や焼酎、泡盛など、煮物に使われるような酒ならばなんでも大丈夫です。焼酎・泡盛はちょっと臭みが残りますけれど、それはそれで独自の風味となります。酒として呑むときの旨さは関係ありませんから、安い酒で大丈夫。こいつを、強火で煮立ててしまいます。 鍋は、とりあえず小さな雪平鍋があればそれをお使い下さい。なければなんでもかまいませんけれど、フライパンのような空気との接触面の大きな道具ですと蒸発が早いので適していません。なにか、鍋の変わりになるようなものを見つけてください。 それともうひとつ、酒だけを沸騰させた経験のない方にはあらかじめ申しておきますけれど、これ、簡単に火がつきます。大きめの寸胴に泡盛を五合ほど注いで火にかけた際には、一メートルの火柱があがったのを今でも覚えております。天ぷら油のようにいつまでも燃え続けたりはしませんけれど、炎であることに変わりはありません。作業中は、決して火の前から離れないでください。鍋から炎が上がったら火を弱め、炎が消えるまでアルコールをとばしてください。そうしましたら、砂糖と醤油を加えます。砂糖は、とりあえず大さじ三杯、醤油は、煮詰まった酒と同量を加えましょう。砂糖と醤油を加えた後は、焦げないように、弱火でじっくりと火を通してください。 ちょっと味見をしてみて、アルコールを感じなくなっていれば土台は完成です。子供や酒に弱い方がいらっしゃる家庭で使われる場合は、アルコールをきっちりとばしてください。ここで手を抜くと、小さな子供だと救急車を呼ぶ羽目になってしまいます。こんな注意書きもばからしいと感じるのですが、今の世の中、どんな馬鹿がいるかわかりませんから気を抜けません。 とにかくこれで、秘伝のタレへと育てるべき土台は完成しました。 さっそく、今夜の炊事の際にでも育ててみましょう。 | ||
| ◆秘伝を育む | |
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というわけで、できた土台を育てます。 話は簡単。とりあえず、夕食の支度がてらに、旨味の出そうなものを煮てみるだけです。様々な食材を煮たり漬けたりしながら継ぎ足していくことで、単なるタレは、美味しい脂や甘み、辛みなどを内包していきます。毎日、ちょっとずつの使い込みをするだけで、素っ気ないタレは円熟味を帯びてくるのです。 とはいえ、最初はただのタレですから、できることも限られます。とりあえず、鶏胸肉の安売りを見つけてきたならば、タレの中にどぼんと入れて煮込んでみましょう。 もちろん、煮込んだ鶏肉はそのまま食卓に並ぶのですから、立派に炊事をしていることになります。鶏肉も、単に放り込むのではなく、厚さを均等にするために観音開きにしてから一口大に切るくらいの手間はかけましょう。 できればさっと湯通ししてからの方が臭みを抑えられますけれど、面倒ならば、生のまま入れてしまって火にかけます。その際は、灰汁が多く出ますからこまめに掬ってください。これだけで、あなたのタレは少しだけ成長したことになります。
全国の物価はわかりませんけれど、僕の住む地域では、鶏胸肉は二キロ二百円台が底値。一時期、狂牛病の頃は八百円台まで高騰しましたが、現在では四百円台くらいです。塩漬けや冷凍を駆使すれば、一人暮らしでも二キロの鶏肉なんぞはあっという間に消費できますから、タレの育成には鶏肉を使うのが手早いかと思われます。 煮込みすぎてタレの量が減ってしまった場合は、酒・砂糖・醤油を追加してアルコールを飛ばせば増量は終わりです。アルコールを飛ばすためだけにガスを使うのもばからしいですから、鶏肉やゆで卵を煮ながら飛ばせば無駄もありません。そうそう、なにかを煮ているときは、吹きこぼれに注意してください。せっかくのタレをガス台に呑ませてあげる必要はありません。 継ぎ足しながら、鶏肉を三回くらい煮た頃にはタレが進化していることに気づくはずです。 | |
| ◆秘伝の秘伝たる秘伝 | |
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ここまでくれば、あとはあなたの力量次第で育ち方も変わります。この特集は、秘伝のタレを作るためのレシピではなく、“秘伝のタレを持つための方法”ですから、これから先は、あなた次第になってしまうのです。 なんだ、けちくさいと思われるかもしれませんが、実は説明のしようがないのです。なぜって、様々な用途に使えてしまう秘伝のタレですから、僕の食生活においても大活躍をしているのです。何月何日になにを煮て、どのくらい煮詰めて、どのくらい継ぎ足したかなんて記録、いちいち書き留めたりはしておりません。さっき食べた米の粒はいくつだったのかと聞かれるようなものなのです。 老舗の料理屋で用いているような秘伝のタレは、先祖代々から伝わってきた管理方法がきちんと守られているものです。それが失われれば、その店はアイデンティティを失ってしまうってなくらい重要なものですから、何年も修行を重ね、伝承しているわけですね。しかし、我々は商売で料理を出すわけではなく、毎日の食彩を楽しく豊かに楽チンにという目的なのですから、楽しくて旨ければいいわけです。貧乏人が使用用途の限られる秘伝を抱えたって、邪魔なだけですね。 というわけで、我々貧乏人は本来の意味での適当・いい加減を合い言葉に、各々が独自のセンスで突き進むべきであり、いちから再現し直せと言われても二度と複製の作れない素人ならではの“秘伝”を手にしちゃえばいいのです。行き着いた先が秘伝であり、最初から秘伝を目指して進むわけではありません。道なき道を、あなたの舌を頼りに進んでください。 けれどまあ、最低限のお約束と、こうするとよいかもしれないという助言だけは、ちょこっとだけお教えしたいと思います。タレの育て方にいまいち自信がないときの参考にはなるかもしれません。 | |
| ◆加えてみたい秘伝の素 | ||
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僕の秘伝には、その日の気分で以下の材料が放り込まれます。
といっても、これらはとても少量を加えるだけです。大量に投入してしまうと、ひとつの個性だけが突出してしまい、使い勝手の限られたタレになってしまうのです。 生姜とカレー粉は、鶏肉を煮る際にちょっとした風味付けになります。カレー粉? と怪訝に思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、小さめの雪平鍋に対し、耳掻き二杯分くらいしか入れませんからカレー味になるわけではありません。生姜も、輪切りを二,三個ほど入れるだけです。 生姜もカレー粉も臭みを取るのに効果があります。鶏の脂は旨味と共に臭みも持ち合わせていますので、脂のこってりを維持しつつ、爽やかさを醸し出すにはもってこいの小細工となるのです。さらに、カレー粉はほんの少しでも色づけ効果が期待できまして、鶏肉がほんのりと黄色を纏います。暑くて食欲のない時にも、口の中で微かに感じるスパイス感が知らずのうちに元気を体内に呼び込む作用もあります。 大蒜も、食欲をそそるための呼び水的な使い方をします。生の大蒜ですと臭いがきついですから、醤油漬けにしたのを一欠片だけ入れてみてください。大蒜臭はあまり感じないのに、気がつくと夢中で喰っていたりしますから不思議です。禅寺の修行僧が薬としてのみ口にするのを許される理由が少しだけわかる気がしますね。 次に登場するのは山椒の葉。これは、都会に住んでいる方々にとっては高級な部類に入るかもしれませんが、田舎ですと、そこら辺に生えていますので助かっております。 これも、香り付けに最適ですし、鶏肉との相性も良好です。思わず鰻を焼きたくなるのが難点ですけれど、前向きに考えれば、鶏肉でも油揚げでも、鰻を喰ったような気分になれるという部分では大変に評価できる香味です。 辛みが欲しければ鷹の爪、甘みと同時に照りが欲しければ味醂などなど、あなたの裁量次第で秘伝は育ちます。 とはいえ、やりすぎると修復のために大量の継ぎ足しが必要となってしまいますから、まずは他の鍋に小分けして実験をしてみるとよいでしょう。 | ||
| ◆料理人の秘伝をちょっとだけ真似る | |
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料理人と素人の違い、とても大雑把にしたならば、手間数と道具の違いです。修行も手間のひとつと考えれば、彼らは生活の多くを料理への手間へと注ぎ込んでいることになります。 貧乏人は、料理人のような道具を揃えることなど叶いませんし、料理人を目指しているひとでなければ、料理人に匹敵する手間を注ぐわけにもいきません。けれど、漏れ伝わってくる手間の一部を真似ることくらいは可能ですから、今日はちょっと料理に勤しみたいなんて日には、秘伝のタレを大きく育ててみるのも遊びとして楽しめるのです。 今はどうだか知りませんけれど、昔は、「料理屋からは残飯以外の生ゴミは出ない」なんて言われておりました。刺身のためにおろした魚の骨も、出汁にされるのです。例えば、僕には縁遠い存在である寿司屋では、穴子の骨だって立派に消費され尽くすのです。 骨をじぶじぶぱりぱりと火で炙った奴を天日に干すと、それはそれは旨味の詰まった出汁の素になります。こいつを投入して作られるのが、穴子用の詰めなのです。穴子に、凝縮された穴子の旨味が塗られるのですから、そりゃあもう、旨いに決まっております。毎日、これを真似るのは至難の業ですけれど、魚を丸ごと得られる機会があったならば、試してみる価値は大いにありますね。できれば、醤油ベースの煮物に適した魚、例えば鰤の骨なんかは合いそうです。 骨というのは、魚に限らず出汁の宝庫です。スーパーでよく見かける骨といえば、鶏の手羽先やもも肉ですけれど、こいつらに半額シールが貼られていたならば財布と相談し、お許しが出れば、ほくほくしながら連れて帰りましょう。 肉自体は、シチューや唐揚げなどで楽しむとして、残るのは骨。こいつは炭火なりコンロなりでカリカリに焼き、タレの中へ投入。これもまた、よい出汁がタレに加わります。 これも、出汁を取り終わったら再び焼き、天日に干し、砕いて磨り潰すと簡易スープの素になります。歯が健康ならば、唐揚げとなったもも肉を骨まで喰ってしまうひとも居るでしょうけれど、ちょっと思いとどまり、手間をかけてより旨味を堪能する方向へと思いを馳せて頂ければと思います。 こういう小ネタは、世の中のちょっとした隙間にも落ちていたりします。家に帰れば秘伝のタレがある。そんな些細なことだけでも、飛び交う情報の掴み方は変わってきますね。料理だけでなく、ちょっとした会話ですらも情報収集の楽しさに変えてくれるのが秘伝のタレ作りなのです。 | |
| ◆秘伝育成の注意事項 | |
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使い込むほどに旨くなるであろう秘伝のタレも、これをやったら台無しという行為がいくつかあります。まず、絶対に避けなければならないのは水の混入です。 干し肉の時にも申しましたが、不敗の原因は水分です。酒や醤油は液体ですけれど、これは常温でも腐らないわけですから問題はありません。肉の水分も、タレを火にかければ飛ばせる程度ですからさほど気にすることはないのですけれど、間違っても葉物の野菜なんてのは入れない方が得策です。 また、肉の脂も傷む原因となりますので注意が必要です。毎日、かならずきっかり加熱をしていれば、蓋をして暗いところに置いておくだけでも悪くはなりません。二、三日の外泊ならば冷蔵庫にしまえば問題はありませんし、長期の留守でも、冷凍してしまえば大丈夫。けれど、加熱もせず、何日も常温に放置し続けてしまうと、タレは必ず傷みます。 一日一回、愛でるように加熱をしながら、週に一度はタレを漉すのも大切です。食材の細かな滓がいつまでも残っていると、痛みの原因となったり、味の劣化を招いたりもします。ざっと漉すだけでもよいですから、使うのはザルで十分。たいした手間ではありませんから、毎日やってもよいかもしれませんね。 あとは、虫や埃、湿気の混入を防ぐためにも使わないときは蓋をしておきましょう。皿でも乗せておけば十分ですけれど、滑り落ちて割れたりすると危険ですので注意してください。 | |
| ◆ラーメンも丼もこれひとつで | |
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秘伝のタレひとつあれば、ラーメン作りはぐっと身近になります。 まずは贅沢にチャーシュー麺でも作りましょうか。
豚肉の塊が安く手に入ったならば、凧糸で縛って焼きます。面倒ならば、焼くのを省略してもよいですけれど、そいつを秘伝のタレにどぷんと漬けて煮てしまいますと、これでチャーシューの準備は完了です。麺は、2001年1月号、もしくは貧乏神髄でご紹介した方法で作れますから、あとはスープだけになりますね。これも、秘伝のタレさえあれば万事解決です。 秘伝のタレ適量を丼に移したら、お湯で好みの濃度に割るだけで十分、ラーメンらしいスープになってくれます。タレとお湯だけではこってりしすぎて……という場合は、醤油や塩を加え、タレの割合を減らせばよいですね。油分が足りなければごま油やらサラダ油を熱したものを加えましょう。これだけで、立派なチャーシュー麺ができてしまうのですから、ちょっとしたものです。 土用の丑の日はとっくに過ぎてしまいましたけれど、鰻が食べたい! なんてときだって、安い鶏胸肉と秘伝のタレがそれなりに満足させてくれます。鶏胸肉を観音開きにしたら、焦げ目が付くまで焼きます。これを秘伝のタレにどっぷり浸し、肉に火が通るまで煮てしまい、熱々の御飯に乗せ、ちぎってきた山椒の葉っぱでも散らせば……なんとなく、鰻丼らしき味わいを楽しめてしまうから不思議です。 煮卵をつくるのも簡単だし、炒飯や肉じゃがの隠し味にもなります。魚の照り焼きもこなせますし、卵かけ御飯には醤油代わりにひと匙をたらすだけで肉の味まで楽しめてしまいます。表面に焦げ目を付けて冷凍しておいたハンバーグなら、凍ったままタレで煮るだけで煮込みハンバーグですから、挽肉の安いときにストックしておくと便利で美味しいですね。あなたの秘伝は、どのくらい活躍できるでしょうか。 | |
| ◆目指せ!! 勝手に免許皆伝 | |
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醤油と砂糖、それに酒。たったこれだけの調味料が、いつの間にかなくてはならないひと味へと育っていく。秘伝のタレの魅力は、台所における手間と時間の集大成かもしれません。 タレの育成が軌道に乗ったら、専用の鍋を設けてあげるのもよいですね。わざわざ買ってくるのではなく、業務用コーヒー豆の空き缶を貰ってくるだけでも十分に機能しますから、その手の店で聞いてみましょう。空き缶なんて一般的にはゴミですから、一個くらいは快くただで貰えます。 秘伝のタレ、最後の注意事項は、あまり愛しすぎないことでしょうか。一年、二年と育ち、愛着が湧いてきたならば、使い切ってしまうのも手です。老舗料亭ではないのですから、失って悲しむような愛玩調味料を後生大事に抱え込むのも負担になります。 たまにはリセットしつつ、日々の炊事を美味しく楽しみましょう。 | |
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貧乏人、ユーザー車検を通す(前編)
二年間で三万ちょっとの延命申請
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やれる手間なら極力買わぬ。そんな貧乏人は、車検にも手を染めるのでした。失敗しても、勉強したのだくらいの気持ちで砕け散ってしまえるのも、気楽な生き方のなせる技なのか、単に無謀なだけなのか…… |
| ◆あの三菱が七万円 | |
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昨年の秋に車を失って以来、徒歩と自転車での暮らしを営んできた僕ですけれど、この夏、ようやっと中古の軽自動車を手にすることが出来ました。なにかと話題の三菱自動車が誇る軽バンであるミニキャブが、七万円で売られていたのです。 お米屋さんに嫁いでから十年十万キロをほぼ達成という、働く車でなければ廃車コースまっしぐらな経歴ですけれど、なにしろ軽自動車は人気車種。ましてや、軽バン・軽トラックとなりますと、中古市場は朽ち果てていたって値段が付くという状況です。大抵、この手の車は元の色が白だったとしても灰色とかクリーム色に変わり果てているのが常ですが、このミニキャブは、七万円とは思えないほど白かった。整備を済ませたならば、きっと二十万前後の価格で販売されると予想される上玉が、七万円ですから飛びつきました。田舎在住の写真家には、どうしたって車は必要な機材となるのです。けれど。さすが七万円だけあって車検は一ヶ月しか残っていません。念のために、このミニキャブを購入したお店で車検費用を聞いてみると、「まあ、だいたい八万円くらいかな」などと仰るではありませんか。車を持っているだけでも驚かれるほどの貧乏人が、車両価格より車検の方が高いという事態を看過できるはずもありません。 そこでひとつ、僕も噂のユーザー車検を試みてみたのです。 この特集は、ずぶの素人がおろおろしつつユーザー車検を通し終えるまでの記録集なのであります。 | |
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●お断り
僕が通したのは軽自動車の車検ですから、陸運局ではなく、軽自動車検査協会というところでの手続きについて書いております。どうやら普通乗用車の手続きもたいして変わらないようですけれど、あてにはなりませんので予めご了承ください。
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| ◆納税証明書がない! | |
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車検に必要なものについては後述しますけれど、実は僕のミニキャブには『納税証明書』が付いてきませんでした。これは自動車税を納付した際に貰える領収書のことですけれど、これがないと車検を受けられません。 お酒を勝手に造ると脱税で捕まるように、自動車も、車検切れの状態で乗ると脱税になります。逆から言えば、自賠責・税金のふたつをクリアして仮ナンバーを借りれば、数日間は車検切れの車を乗り回せるのですから、検査ってなんなのという気もします。 とまあ、車と税金は密接な関係にあるわけですから、当然、前の使用者も税金を納付済みのはずですけれど、さて、それがどこの誰なのかは僕にはわかりません。購入した車屋に聞きますと、車の名義変更は済んでいますから、僕の名前で、僕の住む町の役場で発行して貰うことが可能なようです。あくまでも、車両に対する税金ですから、所有者が移れば管轄も移るようです。よくわかりませんが、取れるというなら行くしかありません。 手続き一般の嫌いな僕ですけれど、さっそく、あまり訪れる機会のない役場へと赴きまして……どうしたらよいのかわかりませんから、とりあえず納税課へ行ってみました。 「すいません」と、もはや日本人が声を掛けるならこの言葉以外にはないという定番を呟きますと、若い男性が小気味よい返事と共に近づいてきます。役場ってこんなに愛想があったかしらと思いつつ、これこれこういうわけなんですが、と説明をしましたら、おかけになってお待ちくださいと。どうやら、この男性ではわからなかったようです。僕は、そんなに特殊なことをしようとしているのでしょうか。 しばらくして中年の女性が目の前に現れましたから、再びかくかくしかじかと話しますと、なぜか車検証のコピーを取られました。 「じゃあ、すぐに出せるよう準備しておきますので証明書発行願いに記入して町民窓口へ出してください」 なるほど、それでコピーを取ったのですね。メモ書きでもよかった気がしますけれど、とりあえずコピーが基本のようです。少なくとも僕のために使われたのですし、用が済んだコピーをきちんと処分してくれさえすれば問題はありません。……どうなったのかは、知る術もありませんが。 そんなわけで、言われたとおりの書類に記入を済ませ、印鑑を持っていなかったので拇印を、再利用できないようにぐりぐりと潰し気味に押して提出したら、希望した書類はすぐに窓口女性の元へ届けられました。 窓口女性がそれに気づかず、二分ほど待たなくてもよい時間を待ったのは、ここだけの話です。 そんなこんなで、正確には『軽自動車税未課税証明書』という書類が無事に手に入りました。ちなみに、住民票は三百円しますけれど、これは無料でした。“上記の物件については、納税義務は発生していません”というやや婉曲な文面が、ここは役場なのだとしみじみ感じさせる一幕でありました。 | |
●納税証明書
本来ならば、郵送されてきた納付票の半券に受領印の押されたものなのですけれど、これを紛失してしまった場合は再発行してもらう必要があります。普通乗用車の場合ならば当日でも陸運局で再発行してもらえるらしいですけれど、軽自動車の場合は使用者(その車の納税義務を負う者)の住んでいる市町村で証明書を貰わなければならないようです。 発行手続きは、各市町村で異なるかも知れませんから、大きな役所では案内窓口で、田舎の役場ならば誰か捕まえて聞くのがいちばんでしょう。 |
| ◆どれどれと、軽自動車検査協会の下見へ | |
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僕の車は軽自動車ですので、車検を受けたり名義変更をしたりという手続きは、陸運局ではなく、軽自動車検査協会というところになります。実は過去に四回ほど、軽自動車の廃車届けや名義変更で訪れたことがあるのですけれど、最初は間違えて陸運局へ行ってしまい、「黄色のナンバーは検査協会に行ってね」と教えて貰ったのでした。幸い、僕の住む地域を管轄する土浦の陸運と軽自動車検査協会は隣接していましたから、無駄足にならずに済みました。 なんで普通車と軽自動車で管轄が違うのか……きっと色々なことがあるのでしょうね。 とある、晴れた平日の午後、僕はもうすぐ車検の切れるミニキャブで軽自動車検査協会を訪れました。場所は既に知っていますけれど、車検を意識して訪れたことは一度もありません。できれば、事前に見学をしておいた方がやりやすいだろうなあと考えたのです。現地へ到着すると、構内は軽自動車で溢れて入れ替わり立ち替わりの停まったり動いたりです。駐車場の空きもなさそうなので、駐停車禁止でないのを幸いに路上駐車して中へ入りました。常磐道の脇などは、陸運局からこぼれ出た自動車の群れが一列にずらっと駐車されていますから、入りきらないというのは日常風景なのでしょう。 まずは色々な窓口のある建物に入り、きびきびさかさかと書類を出したり受け取ったりするつなぎ姿に混じって様子をうかがいます。どうやら、土浦の検査協会では5番の窓口がユーザー車検受付で、重量税の印紙購入や自賠責の加入も、当日に3番窓口で可能なことがわかりました。全国すべての検査協会で窓口番号と役割が同一なのかはわかりませんけれど、きっとどこでも、“手数料”“重量税”といったような看板はかかっているだろうと思います。建物を繋ぐ短い通路には、各種手続きの際に回る窓口の順番を示した案内板もありました……ユーザー車検については一言も書かれていないものでしたけれど。 続いての見学は、検査の行われる建物へ。断りを入れないとまずいのかなあと思いましたが、真ん中当たりに“見学コース入り口”と貼られた扉がありましたから、そっと入ってみました。ラインは、旧式と新式がそれぞれひとつずつで、大体、事前にインターネットで調べた内容と変わらぬように感じましたけれど、どうも、排ガスを検査するプローブがどこにあるのか見あたりませんでした。まあ、見学コースといっても、実際には通路状のコースがあるわけではなく、いきなりぽつんと検査ラインの真端に立たされるという、とても下見のしにくいもの。当日は、係の人に「初めてです」と告げれば大丈夫だろうと考え、ラインを後にしました。帰り際、あらかじめ継続検査の書類を購入しておこうと3番窓口へ立ち寄りました。「何台分ですか」と聞かれ、もちろん僕が車検を通すのは一代なのですけれど、とっさに「二台分お願いします」なんて口走っていたのでした。一部四〇円が二部で八〇円。倍の出費ですけれど、予備が出来たと思えば安心できるというのもです。 いざ記入をする段階になって、予備の要らぬほど簡単な書類だと知るのですけれど、残りの一部はもう二年後まで保管しておくことにします。 | |
| ◆車検の前に、タイミングベルト交換を | |
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もし、車検を通すのが若い車であったならば、あとは自分で点検整備をして本番を迎えるだけなのですけれど、なにせ、僕の手元にやってきたのは十年十万キロのお勤めを果たし終えた、老齢の働く自動車です。 過去、オルタネータが壊れ、エンジンから冷却水が噴き出し、走行中にタイミングベルトが切れるという悪夢を繰り返してきた僕にとって、平成六年式の車といえば新車も同然です。二十年二十万キロを目指すために、最低限の消耗部品は交換をして、新たな門出を迎えて欲しい。走行中のタイミングベルト切断なんていう切ない思いはもうしたくない。かといって、僕にはこれを交換する技術は皆無。というわけで、自動車修理工場へと車を走らせました。 車両価格七万、ユーザー車検三万ちょっと。タイミングベルト交換で三万前後。本音を言えば、十万円で済ませたかったのですけれど、プラス三万円の出費で最低四年間は乗ることが出来れば御の字です。動かなくなった車の処分にはかれこれ三万円弱の出費が必要ですし、そうなると、整備に三万円を使った方が将来有望感を持てます。 そんなことを考えながら、軽自動車検査協会を出てすぐ、知人の知人が居る自動車修理工場へと向かいました。 車の整備なんてオイル交換くらいしかできない僕としては、ひとにお金を払って預ける以上は完全に任せるしかありません。色々と話を聞いた結果、整備内容はタイミングベルトとテンショナー、ウォーターポンプの交換、それにもし駄目なようならばファンベルトも交換ということで決定。大体、三、四万円ということだったので、できれば三万円で済ませて欲しいと祈りながらお願いをしました。何の連絡もなく訪れ、安く上げろとお願いし、そのまま空いていた代車で帰宅。文章にしてみるとなんとも横暴な客ですけれど、態度は常に平身低頭です。全日本貧乏協議会の名刺、その真価を問われるときは、こんなところなのかもしれません。 | |
| ◆思わぬ落とし穴……追加修理 | |
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車を預けたのは月曜日の午後。木曜日の夕方には、修理工場から電話がありましたから、とても早い対応です。けれど、その電話は、決して嬉しいばかりのものではなかったのでした。 「タイミングベルトの交換は終わりましたけど……マフラー、穴が空いてますよ」 え……それって、車検、通らない、ですよね。 「うん、自分で車検をやるって聞いたから、どうしようかと思って連絡したんですけれど」 ……補修テープでなんとかならないですか。 「それが、場所がタイコとの接続部分なんで、たぶん溶接しないと駄目だと思うんですよ」 ああ、なんということでしょうか。加速が悪いと思っていたのは、働く自動車だからでも老齢だからでもなく、排気に問題があったのです。まさか車を買うときにリフトで下回りを見せて欲しいとは言いませんでしたから、まったくもって予想外の事態です。けれど、自分で修理することなど不可能なのは明白ですから、頼むしかありません。 その修理工場では溶接まではやっていないということで、他の工場に出して頂くことにしました。「今までの経験からだと、まあ大体、一万円くらいで済むとは思います」とのことでしたから、高額は高額なれど、頑張れば出せる範囲です。 修理の終わりを待つ週末は、梅雨明けの太陽が眩しく暑苦しく、枯れ始めの紫陽花とひび割れた大地を照らしておりました。 マフラー修理も月曜日には終わり、修理に出してからの長い一週間が終わりました。修理代は、タイミングベルト・テンショナー・ウォーターポンプ及び冷却水・ファンベルト・サーモスタット・マフラー溶接で四万五千円。ちなみに、他の修理工場ではタイミングベルトとテンショナーだけで三万円と言われましたから、かなり安く仕上げて頂けたと思います。というか、最初はファンベルトも入れて四万円くらいという話だったのに、サーモスタットとマフラー溶接も含めて四万五千円というのは、嬉しい方向で計算が合いません。やはり、貧乏神は貧乏人の見方なのだなあと感じる瞬間です。 | |
| ◆車の最終点検 | |
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車は修理され、とりあえず車検は通りますよとのお墨付きも頂きました。けれど、やっぱり事前に点検をしておきませんと、見つけられたはずの欠点を指摘されて不合格というのでは、雨と無縁のままに枯れ行く紫陽花のような気持ちになってしまいます。点検といったって教習所で教わるような簡単な点検しかできませんけれど、やらないよりはましでしょう。 ランプ類は、車を購入した際に知人からブレーキランプの球切れを指摘されましたから、その時にすべて確認し、切れたものは交換しておきました。そう簡単に切れるものでもありませんし、まあ、だからこそ気がつかずに切れたままに走り続ける車が茨城には特に多いのだろうなあと思いながら、これは検査前日の夜に再度、壁への反射を利用して自分で確認を取ればよいなあということで、この日は省略しました。あとは、その場で簡単に確認できる機器類というとワイパーとホーン、それに発煙筒くらいでしょうか。ワイパーもウォッシャーポンプもホーンもきちんと動作しますし、発煙筒も、車を買ったときには期限切れのものが乗せられていたので、ホームセンターで新しい物を購入しておきましたから大丈夫です。ネットでは、あちらこちらで「発煙筒の期限は確認されなかったし、有無すら見られなかった」といった情報が見られましたけれど、だからといって法律で定められているものを省略してしまうのは問題があります。車は危険な乗り物なのですから、こればっかりはお金で解決するしかありません。 ……三角停止表示板は持っていないので高速道路は利用できませんけれど、それとは別の理由で利用できない気がいたします。 タイヤ、これは十分に山も残っているし、ひび割れなどもありません。働く自動車だったにしては、良好な状態です。で、こいつを外しますと、ブレーキディスクが露出しますので、ブレーキクリーナーで掃除をしながらディスクとパットの様子を見ます。運転中のブレーキもよくかかりますし、異音もありませんでしたから大丈夫だろうと思っていたとおり、パットの残りもあるし、ディスクも変な削れとかはありません。これならば、検査ラインでのブレーキテストもこなしてくれるだろうと思えます。 この車は後輪が駆動しますから、後輪にはドライブシャフトブーツというのがあります。これはゴムのカバーなのですけれど、破れていると車検で落とされる部分です。おそらく、修理工場でリフトアップした際にチェックしていただけた箇所だろうとは思いますけれど、自分の目でも確認いたしました。どうやら、破れてグリスが流れ出す、といったことはなさそうです。
修理されたマフラーは、二重に溶接され、錆落としと塗装まで施されていますから、もうぴっかぴかです。これならば、下回りの検査でも“ちゃんと整備点検している車です”とのアピールになるでしょうから、下回りの洗浄とかは不要でしょう。 ここまで確認をすれば、車検に関してはもう、僕にできる点検はありません。オイル交換やらプラグの掃除、バッテリーの液量などは、車検に関係のない、日々のメンテナンスです。 これで車検を落ちるようならば、ユーザー車検は不可能! という結論づけ、道路運送車両法の第62条を書き換えさせる必要が出てきます。 | |
| ◆必要書類の確認 | |
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車の方は、おそらく、大丈夫になったと思いますから、あとは書類を確認することとなります。車検に必要な書類は全部で七つなのですけれど、大切な書類を忘れてしまったら検査を受けられなくなってしまうのですから、しっかりしておかなければなりません。 車検で必要になる書類は、「車検証」「軽自動車納税証明書」「定期点検整備記録簿」「自賠責保険証明書」「重量税納付書」「継続検査申請書」「検査票」の七つですけれど、自賠責は満了日までのものの他に、車検更新後の期間の分も必要となりますから、注意をしなければなりません。 車検証は、車を買ったところで名義変更も済んでいますし、車検満了までの自賠責保険証もしっかりホッチキスで留められています。第一、これらは常に車に保管しておかなければならないものですから、盗まれない限りは、なくなるはずのないものです。新たな期間の自賠責は、前もって用意することで少しでも手際よく検査を受けるという考えもありましたけれど、万が一にもなくしてしまったならば、とんでもないことになるのです。なにしろ、軽自動車の車検にかかる費用のうちで、最も高額で桁違いなのが、この自賠責なのです。慎重に、当日加入が順当だろうなあと、未経験ながらに思いを巡らせ、当日加入に決定です。 軽自動車納税証明書は、すでに役場で入手をして車検証と一緒にしてありますから、これも大丈夫。けれど、普段から一緒に車にしまっておくべき書類のうち、ちょっと困りものなのは定期点検整備記録簿なのでした。これは、二十四ヶ月、つまり車検ごとに車の点検をして作業内容を記録しなければならないもので、車検の際には一緒に提出をする……というものらしいのですけれど、提出の義務がない、易しく言うならば、出さなくてよいものらしいのです。MT車なのにATフルードのチェックをして突っ込みを入れられるなんて噂話もある書類ですけれど、手に入れようとすれば有料の紙ですから、僕の場合は提出不要の話を鵜呑みにして用意しませんでした。 残る書類は、先日の見学で購入してきた継続検査申請書(専用3号様式)と自動車重量税納付書となります。現段階で、唯一、記入の必要な書類となりますけれど、これも、記入はごくごく簡単なものです。 検査協会に行けば詳しい見本が置いてありますから、当日に現場でゆっくり記入しても五分で終わります。ただ、ひとつだけ気をつけなければならないのは、継続検査申請書の枠内は、鉛筆で記入しなければならないと言うことです。 これでも僕は、少しの間ですがコンピュータ関連の仕事をしていたことがありますので、なんとなくわかることですけれど、これはおそらく、OCRと呼ばれる方式でコンピュータに直接、読み込みをさせるための書類です。なぜか、OCRというのは鉛筆で書かされるのです。枠外の、年月日と氏名、住所はボールペンで書かなければならない点も注意しなければならないと思いますけれど、そこら辺も、検査協会の記入例で注意書きがありますから、戸惑うことはないはずです。 車の使用者が直接に車検を通すならば、認め印すら不要なのですけれど、念のため、印鑑、ボールペン、鉛筆も準備。あとは、予約をして、当日を待つばかりです。 | |
| ◆簡単予約はコンピュータ相手 | |
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残念ながら、ユーザー車検はどんなに空いていたとしたって予約なしでは受けられないことになっております。実際のところは、ちょっとお小言を聞くだけで、予約をして行かなくたって検査を受けられるような噂もありますけれど、ここはスムーズにことを運ぶためにも予約はしましょう。 予約自体は、二十四時間受付のテレホンサービスで自動応答の無味乾燥した案内相手にダイヤルボタンを押していくだけですから、本当に簡単なものです。インターネットがここまで普及した現在となっては、逆に古風な予約システムだなあと、ちょっと懐かしい気分にすらさせてもらえる数分間を、受話器相手に過ごします。 見学に行った際に予約方法の書いてあるパンフレットを持ち帰りましたので、それを見ながら電話を操作いたしましたところ、すんなりと希望する翌日の予約を取り付け、五桁の予約番号を入手して電話は終わりました。予約は、電話をした翌日から一週間先までの間で、午前か午後を選ぶことができます。午前は八時四十五分〜十一時、午後は十三時〜十五時までに受付を済ませることになりまして、朝の弱い僕はぜひとも午後で……となるところですけれど、初めてのユーザー車検は、不合格でも午後に再挑戦可能な午前を予約というのが鉄則のようです。寝坊してしまったら翌日に再挑戦だなあという気持ちで午前を予約しましょう。 ちなみに、四桁の暗証番号入力を求められたので適当な番号を押してみたのですけれど、結局、この四桁の暗証は使うことなく車検を終えております。大切なのは、予約の際に流れてくる五桁の番号だけですから、これだけは忘れずにメモを取りましょう。
次号へ続く
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トルコ風・宴の鶏料理
トルコ人夫婦のホームパーティーで教えてもらいました。安価なのにとてもゴージャス、作り方も簡単。鶏1羽で多人数分の酒肴・ご飯・サラダまで出来るので、大人・子供・酒飲み・下戸の混成宴会にも重宝です。
丸のままの鶏(6人前なら1くらい)、ニンニク3〜4片、ありあわせのクズ野菜を大鍋に入れて煮る。煮立った後は、ごく弱火で充分。 1時間くらいで煮えたら丸鶏を皿に上げる。崩れても気にしない。 煮汁にサラダ油を大さじ3ほど入れ、これで米を炊く。炊きあがりに、玉葱やパセリ、セロリなどテキトーにみじん切りして混ぜ込む。 皿に取っておいた丸鶏をバラして大きな骨を取り除き、胸肉の一部を別に取り置く。残った大半の肉に、香辛料・ヨーグルトをまぶし好みの味に整える。*醤油と葱などで和風にもできます。 取り置いた胸肉は小さく裂き、生野菜と共にマヨネーズ等で和えてサラダにする。 調味した鶏肉、炊き込みご飯、サラダを別々の大皿(鍋でもフライパンでも)に盛り、各自の好みで自分の皿に取ります。混ぜて食べてもおいしい! 鶏の小骨をプップッと吐き出しつつ食べる愉しさも、パーティー料理の醍醐味。 丸鶏1羽が800円前後+野菜で合計1300円として、6人なら1人前216円。お祝い事などに良いです。 さらにこの料理の長所は、まんいち想定外の客が飛び込んできた場合でも、その時点での全体量を総人口で割って1人ぶん皿盛りにして出せば、みめ良く立派に対応できる伸縮自在さです。 カナン
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セ、セレブな生活ってなあに?! ようかん
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貧乏談話室に書き込みいただいたお話の中から、いくつかを選んで会長がお返事いたします。
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奴・・・と戦っている人は多ございますね。あの黒くてぬるりとした平べったい・・。アレは人間以外の者も苦手そうですよ。家で昔に飼ってたウサギが、在る時ヤツと出くわしたみたいで、飼い主で在る私の元に全力疾走してきました。無表情に見えるウサギの、あの目ん玉ひん剥いた恐怖の表情は、何年経っても忘れません。 もちろんその後は、ヤツと戦いましたよ・・・(苦笑) ゆたんぽ
知り合いの飼い猫も、奴を触ってしまったときに手をぷらぷらと振って嫌がったそうです。
毎年毎年、ホウ酸団子を仕掛け続けたおかげで今年はまだ家では見てません。ホウ酸はちょっと高いですけれど、五百グラムあれば三年は使えますから殺虫剤より安上がりです。 会長
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会長〜! 感想を書き込みたくても、こうも休閑?休館?旧慣?旧館?休刊ばかりだと・・・・・・・? 書ける事がなんも無いぞ〜〜〜〜〜!!!!! みやび
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初めまして、失礼します。 私には趣味と呼べる物が見つかりません。 休日も退屈をしながら部屋の中をうろうろするばかりです。 会長やここに来る皆さんはいつも楽しそうで羨ましいです。 ここで時間の使い方を勉強させて頂こうと思っています。 会長がまた何かやらかすのを楽しみにしてます。では。 お金も無いし
時間というのは流れ過ぎゆくものですから、常に使っているのですね。談話室の方でいくつか返信もありましたけれど、慌てても騒いでも、なにもしなくても使えるのです。
自分の部屋よりは他人の部屋。部屋よりは近所の神社、近所の神社よりは隣の町、隣の町よりは隣の県。時間とお金の許す範囲で、ただただ、退屈というアンテナを頼りにひとときの非日常を探すのも楽しいです。 会長
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生活技術は休刊中らしい。 会長のエッセーが楽しみだったので残念。 東京の30代
本を出すとなれば出版社が潰れ、連載を始めると雑誌が休刊する。良くも悪くも、僕には貧乏神がついていてくれるようです。
会長
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おかげさまで、耐乏PressJapan. も五周年。十年ひと昔などと申しますから、創刊が昔話になるまでの折り返し地点ということになります。そんな記念の思い出話として、なんと、いつも物を貰いっぱなしの僕からプレゼントのお知らせです。ご応募頂いた皆様の中から抽選で一名様に、ブックオフで購入した著書『貧乏神髄(値札もそのまま)』を差し上げます。もちろん、再び古本屋へと流れぬようしっかりとサインも入れさせて頂きます。応募方法をよくお読み頂き、奮ってご応募ください。……応募がなくても、誰かに当たったことにしちゃいますけれどさすがにちょっと悲しいですね……。 ■応募方法:閉め切りました |
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編集後記
本当になんと申し上げたらよいのやら、二月号の次は八月号ですから、月刊誌を名乗ることなどすでに不可能という状態です。こっそりと、休刊した部分を埋める計画もあるのですけれど、作業が追いつかないままにスペースだけが増えていくのは分かり切った事実なのかも知れません。
これだけお待たせしておきながら、実は完成度としては半分にも満たないかなあという感想でして、はやく全力でこの会報誌に取り組める日が来るのを夢見て……いるだけでは訪れないわけです。また間が空くかもしれませんけれど、なにとぞ、お見捨てなきようご愛顧を賜れますれば幸いです。 会長
● 次号のお知らせ
耐乏PressJapan. 2004年9月号 (2004年9月発刊予定)
■特集:貧乏人、ユーザー車検を通す(後編)、他
■連載記事:未定
■投稿記事:皆様からの投稿をお待ちしております
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耐乏Press Japan. 2004年8月号
発行:全日本貧乏協議会(taku3@jh.net) 発行部数:16025
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