←こんなシルエットすら嫌いなんだ!!
日本に、21世紀の春がやってまいりました。
私などは、多忙な日々を過ごしていますので、花見が出来ずに残念な思いをいたしましたが、不況がすっかり定着しました今日、全国各地で長屋の花見が再現されたことと思われます。
さて。
冬が終わりましたことにより、皆さんの周りにも、虫達が姿を見せるようになったと思われる次第です。
何が次第なのかはさておき、私の暮らしている貧乏長屋にも、さまざまな虫がその姿を現すようになりました。
虫、と、一言に申しましても、これは大きく分類するところ、ふたつに分けられるわけです。
てんとうむしやみつばちなどは、ひらがなで書くと可愛らしいくらいなわけで、なんとも微笑ましいのです。良い虫に分類されます。
もうひとつの分類は、害虫です。
害と名の付く虫ですから、これは、やはり居て欲しくない虫なのです。蚊は、刺されると痒いだけでなく、伝染病も媒介します。蠅も、人様の食べ物にたかるだけでなく、やっぱり伝染病を媒介します。悪い虫です。
ダニやノミのことも、嫌いな人は多いでしょう。もう、害虫と言うくらいですから、害がある上に、見た目も精神的によろしくありません。
そんな害虫のなかでも、日本人の多くが嫌いだと思われる、少なくとも筆者は一生の敵ととらえている害虫が、ゴキブリです。
これからの季節、奴等にとっても活動が本格となります。
今月の特集は、「貧者の聖戦」シリーズ第一弾といたしまして、ゴキブリ駆除について考えます。
奴等の生態を把握し、なるべく目撃数を減らすことで、精神の安らぎを手に入れましょう。
百害あって一利なし
憎い。
たとえ害があろうとなかろうと、あの虫を形成するすべての要素が憎たらしいわけです。
奴と出会った時の精神的苦痛は、運ばれてくるラーメンにおばちゃんの指が浸かっていたときよりも、遙かに大きいのです。
トップレベルの苦痛と言い切りたいですね。
奴が嫌いなわけは、次のようなもので構成されるのです。
●グロテスク
世の中、グロテスクを表現するなら、奴を用いれば済んでしまうと思われるくらいです。
ぬらっと濡れ光る様子、近寄ることを完全にあきらめさせるようにいやらしく動く二本の触覚、見ただけでもその感触を想像させるような鳥肌ものの足。
書いているだけで、気分が悪くなります。
●大きさ
孵化して間もなくは、その小さな体で些細な隙間からも侵入してきます。やがて、視界に入っただけで硬直してしまうほどの威圧感を持つほどに大きくなるのですから、たまりません。
どこにでも入り込めることと、嫌なほど目立つこと、その双方をバランス良く備えたジャストサイズには、腹が立ちます。
●早い
奴を車と同じ大きさにしたら、道交法違反は確実ではないかと思うほどの速さ!!
そのスピードを武器に、流しの裏に逃げたり、人様に向かって突進して来たりと、戦いは奴のペースで行われることになるのです。
●飛ぶ
幸い、筆者は奴に飛ばれたことはありません。
奴に飛ばれた経験を持つ知人は、泣きながら過去を振り返ります。人様に向かって飛んでくると言うのですから、たまったものではありません。
戦いの最中も、もし、飛ばれでもしたらと考えただけで、精神的に追いつめられてしまうのです。
●繁殖力
ゴキブリを一匹見たら、その家には30匹、100匹、いや、1000匹は居る……。
奴の卵は、10〜20個の卵が入った鞘になっているそうで、これを、一度に30個ほど産卵すると言いますから、まさに散乱です。1000匹という数字も、決して大げさではありません。
ねずみ算式なんて言葉がありますが、ゴキブリ算でも一向にかまわないと思えるだけの繁殖力なのです。
●人様を完全に嘗めた行動
視界の端、ぎりぎりを通り過ぎ、まるでワザと発見されようとしているかのように動き回ります。
持ち前のスピードで、こちらが殺虫剤を手にする頃には物陰に隠れてしまうのです。
めっちゃ腹が立ちます。
……と、これだけでも駆除に値する奴等ですが、さらに伝染病を媒介するのですから、もう、許してはおけないのです。
共存など、考えられません。
奴等が繁殖する前に、対策を施そうではありませんか。
敵を知ることが第一歩
まず、残念なお知らせをしなければなりません。
ゴキブリを殲滅することは、おそらく不可能なのです。
奴等は、人間のフケ、アカ、髪の毛などを喰って生きていけます。これらの条件があれば、ダニも発生しますけれど、そのダニすらも奴等の餌になるのです。
どのくらいの餌で生きていけるかと言えば、髪の毛一本で一ヶ月といわれています。
あなたの抜け毛一本で、ゴキブリ一匹が一ヶ月も暮らせるのです。
つまり、人間の住むところは、奴等にとっても住み易いと言うことなのです。
人間が絶滅しない限り、奴等の絶滅はあり得ないのです。
さらに、奴は水だけでも相当に長い間、生きていけるのです。非常に水を好みます。
食品を扱う台所、裸という一番無防備な格好を強いられる風呂場で奴と出会うことが多いのも、奴が水場を好むからに他なりません。
なるべく、奴等の侵入を防ぎ、繁殖を防ぎ、奴らの住みにくい環境を維持することで、数を減らし、目撃数を減らすことしか、今の我々には出来ないのです。
人類は、地球上の生物をすべて殲滅できるだけの兵器を保有しています。なのに、ゴキブリを絶滅させる手段は、いまだにないのです。こういう事実を目の当たりにしたとき、科学技術に対する虚しさを感じてしまうのです。
■初めての遭遇
筆者が、初めてゴキブリと遭遇したのは、小学校二年生の時でした。確か、初夏だったはずです。
学校を終え家に帰り、玄関を開けると、そこには初めて目にする虫が一匹、居たのです。
人間として、いや、動物としての直感で、それが、ゴキブリと呼ばれているものだと理解した筆者は、幼いながらにも必死に、奴を追い出そうとしたのです。
ちょうど、玄関にはスリッパがありました。おもむろにスリッパを掴んだ私は、叩くという行為が恐ろしかったので、ゴルフのスイングのように、アイアンがゴルフボールをすくい上げ飛ばすように、奴を玄関の外に追い払いました。
奴は、そのまま着地し、今度は、向かいの家に向かって歩き始めました。再びこちらに向かってくるのが怖くて、すぐに玄関を閉めてしまいましたが、たぶん、奴はそのまま、お向かいさんの家に入っていったことでしょう。
あれから、もう20年になるのです。
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侵入経路を断つ
ゴキブリに侵入を許すと、家の中でおもいっきり繁殖されてしまいます。繁殖力旺盛で水を飲むだけでも生きていける奴等ですから、繁殖は確実です。一人っ子政策など無縁なのです。
奴等を駆除するには、まず、侵入経路を断つ必要があるのです。
先にも述べましたが、奴等は子供の頃ならばほんの些細な隙間からでも侵入できます。大人でも、その独特のぺっちゃんこスタイルで、あらゆる隙間からの侵入を試みるのです。
良く話題となる、奴等の侵入経路について考えてみましょう。
●玄関・窓
お客様や、外の新鮮な空気を部屋へと招き入れるために開ける玄関や窓。お呼びでないのに奴等まで招いてしまうこともあります。
玄関は、人様の出入り以外には開放しないようにしましょう。また、窓の開放は、網戸のあるところだけにした方がよいでしょう。
ただし、網戸に破れ、隙間があっては台無しです。ホームセンターに行けば、網戸の網も、押さえのゴムも、量り売りされています。暑い夏に閉め切りにするのが辛いか、出費が辛いか、天秤に掛けましょう。
窓自体の隙間も要注意です。隙間用のテープも、安いものは100円以下で売られています。セロハンテープやビニルテープなどでも代用できます。
●流しの排水口
流しの扉を開いてみると、おそらく、排水管が見えるはずです。もし、S字の排水パイプでしたら、常に水が貯まった状態になってるために、ゴキブリやネズミの侵入を防いでくれます。
しかし、筆者の台所は、写真のようにストレート。これでは、未使用時には下水からゴキブリが登り放題なのです。
写真のようなタイプの排水管が使われている場合は、排水口にネットを設置するか、使用後は必ず蓋をするようにしましょう。
ネットは、サンキの85円均一コーナーで買えるくらいですから、貧乏人にも安心して購入できます。
●風呂釜の煙突口
写真のように、風呂の煙突が明らかに素人工事で付けられているような不幸な貸家に住んでいる場合、ここから奴等が侵入してきます。
風呂の煙突は、使用中は大変な高温になります。筆者は、煙突で腕に火傷を負い、そこから細菌感染して熱に魘された経験があるくらいに高温です。
こういった高温になる場所をふさぐ場合、耐熱性のある素材でふさがないと火災の原因になってしまうかもしれません。
金属製の目の細かい網で覆ってしまうのがよろしいかと思われます。
●くみ取り式トイレ
このような場所での遭遇戦は、気分を最悪にさせます。
蓋はきちんと閉めましょう。
●換気扇、エアコンの配管口
未使用時に蓋の閉まらない換気扇だとか、エアコンの配管を通す壁の穴とかからも、侵入してくるんだそうですよ。ドレンの内部から入ってきたりもするらしいですねえ。
いやその、換気扇とかエアコンとか、持っていないんで、そういう機械をお持ちのお金持ちは、業者を呼ぶとか、他の情報に頼るとかしましょう。
まあ、換気扇は普通のアパートなら装備されてるでしょうね。換気扇カバーとか使いましょう。
これらの他にも、壁の隙間、天井の隙間、畳の隙間など、侵入経路と考えられる場所はいくらでもあり、すべてをふさぐのは大変です。
目撃件数の多い場所に侵入経路がある可能性がありますから、根気よくふさいでいきましょう。
毒による駆除
侵入経路を断った今、残るは室内に住み着いたゴキブリの駆除となります。
ゴキブリ駆除に関する商品は、大変充実しています。
しかしながら、我々のような貧乏人にとって、それらの魅力ある商品を購入するという行為は財布に厳しい行為です。
そんな中でも、直接攻撃の場面ではどうしても欲しいスプレー殺虫剤については後述いたしますが、次に魅力を感じられるのが、蒸散殺虫剤です。
侵入経路をふさぐことにより、外からの侵略は少なくすることが出来ます。後は、すでに室内に住み着いている奴を退治しなければなりませんが、蒸散殺虫剤なら、見えない場所まで殺虫成分が行き渡るし、使用後もある程度のブロック効果が期待できます。
ただし、卵にはあまり効果がないらしく、また、所詮は市販の薬剤ですから毒性も低く、全滅とまではいかないようです。
割と高価なものですし、ゴキブリに対する憎しみの度合いによって購入を検討することになるでしょう。
蒸散殺虫剤の使用・未使用を問わず、設置しなければならないのがホウ酸団子です。
奴は、ホウ酸を摂取することで消化器官に障害を起こし、脱水症状で死にます。ゴキブリ駆除の毒物としては遅効性で、ホウ酸団子を食べたゴキブリが死に至るまでは、2〜3週間を要します。ただ、それだけに他の奴等も安心して食べますから、地道ながらも確実な効果が期待できるのです。
なんといっても、自分で作ることができる点が素晴らしいのです。
次に設置場所ですが、冷蔵庫の下などの暖かい場所、流し台横の隙間、家具の隙間など、奴の通りそうな場所にとことん仕掛けましょう。
ゴキブリは、前述の通り水が大好きですから、水場には徹底的に仕掛けることになります。また、機械の熱で常に暖かい場所への設置も有効です。もし、電子レンジを持っている場合は、その近くにも設置しましょう。
ホウ酸団子の有効期間は半年〜1年です。これは、ホウ酸の毒性が無くなるのではなく、誘因剤としてのタマネギの臭いが失われてしまう期間です。毎年、春はホウ酸団子の季節であると考えましょう。
自作のホウ酸団子で、奴等の数が減るのをじっと待ちましょう。
■ホウ酸の毒性
ホウ酸は、人間に対しても毒です。
致死量は、成人で15〜20g、幼児は5〜6g、乳児だと2〜3gです。成人でも、1〜3グラムで中毒症状が出ます。
特に注意しなければならないのが、幼児です。ホウ酸中毒による死亡率は50%ですが、小児では70%になります。ホウ酸の管理は徹底しましょう。
ホウ酸団子の設置にも、注意が必要です。お子さんのいらっしゃる家庭や、ペットを飼っている家庭では、子供やペットが口にしないようにしなければなりません。犬に対しては、タマネギ自体が危険です。
市販のホウ酸団子は、プラスチックのケースで覆われているので、誤って口にする可能性は低くなります。時には、安心をお金で買うことも必要です。
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遭遇戦
これまでは、ゴキブリを見ずに済ませる方法を考えてきました。
でも、何度か申しましたように、奴等を殲滅させることは残念ながら不可能です。
不幸なことに、対策を施した後でも、奴と出会ってしまうことがあります。
目撃した奴をそのまま逃がしてしまっては、子供を作られてしまいます。一匹が、20個入りを10〜20個も……。あ〜、考えただけでも腹が立ちます。
ゴキブリとの遭遇は、即、戦闘へと発展するものなのです。
遭遇した場所によって、こちらの使用する武器も変わります。
台所で出会ったなら、有効なのは台所用洗剤です。
台所用洗剤に含まれている界面活性剤が、ゴキブリの胸毛の油分を失わせ、呼吸器に水分が浸入することで窒息死させるということです。
台所用洗剤を直撃させるのはなかなか難しいですが、叩けるものもないし、おたまで叩くのも気分が良くありません。実践で鍛えましょう。
なお、界面活性剤というのはほとんどの洗剤に含まれていますが、台所用洗剤が20%〜40%という高い含有量であるのに対し、掃除用のスプレー式洗剤などは0.3%〜8%と、台所用洗剤に比べて大きく劣ります。液体の洗濯用洗剤は、20%〜30%以上と、台所用洗剤に匹敵する界面活性剤が含まれています。洗濯機付近での戦闘では、液体洗濯洗剤が力になってくれます。
部屋での遭遇戦では、なにか叩くものを探すことになりますが、本などで叩いてしまうと、その本を読む気にはなれないというのが難点です。
はえ叩きがベストセレクトだと思われます。
ただ、蠅と違って、ゴキブリには特別な感情を抱いている方も多いと思います。直接叩くという攻撃には耐えられないという方もいらっしゃるでしょう。それに、奴はすぐに隙間に逃げますから、はえ叩きでは追いきれない場面も多くあります。
筆者は、少ない収入をやりくりして、対ゴキブリ用の殺虫スプレーだけは常に手元に置いてあります。
おすすめは、ジェット式のものです。他のなまぬるいスプレーと違い、その噴霧力で奴をふっとばすことすらできます。勝利を確信させてくれる威力がある上に、殺虫能力も高いのが気に入っています。
ここ2年間の使用で、仕留め損ねたのは1度だけです。その一度も、殺虫成分は奴にかかったはずですから、見えないところで死んでいるかもしれません。
精神の安寧のためには、600円の出費はやむを得ないのかもしれません。
どうしても絶対に見たくないなら
ゴキブリは、南の国の生物です。寒い場所には住めません。
昔は、北海道には奴が居ないと言われていました。北国に引っ越せば、絶対に近い安心を得られるかもしれません。
残念ながら、今では、一年中暖かいビルなどには奴が出るらしいですから、北国での暮らしと言えども、100%の安心はあり得ません。人間の文明が、奴等の生息範囲すら広げているという皮肉です。
しかしまあ、今まで述べてきたような対策を施せば、厳寒の野外では繁殖できないわけで、家内の平和は非雪国よりも容易く手に入れられるはずです。
実際に、とある北国在住の主婦は、一度もゴキブリを見たことがないそうです。北国は、ゴキブリ嫌いにとっての楽園なのです。
日本は、おそらくゴキブリの生息地としては最北端の一帯に位置しています。
ハワイやグアムといった、貧乏人とは縁のない場所が「南の楽園」などと言われておりますが、あんなのは嘘です。南の国には、日本のそれよりも大きな奴等がいっぱい居るのです。
大金はたいてあんな所に行く金持ちの気が知れないというものです。ふんっ。
とにかく、北国には、奴が居ない。
来たと言えば、北海道です。
北海道への引っ越しこそ、ゴキブリ駆除の最終手段なのです。
快適な夏のために
今月は、貧者の聖戦シリーズ第一弾といたしまして、最も嫌われていると思われる、少なくとも筆者は一生、憎み続けると思われるゴキブリの駆除を取り上げました。
残念ながら、いくら家の中の奴等を駆除しても、奴等は自然の中で大量発生し、再び家の中へと侵入してきます。
ゴキブリ駆除に絶対はないのです。
しかし、何の対策も施さずにいては、奴らの好き放題にされてしまいます。そんなことは、絶対に許すわけには行きません。
どんなに政治が乱れようとも、日本という国家が無くなったとしても、ゴキブリは生き続けます。
奴等が地球上から姿を消すときは、地球という惑星の最後であると思われます。恐ろしいことに、核戦争後の地球で生き残るのは、ゴキブリだと言われているほどの生命力を持っているのですから。
今、この時期に対策を施すかどうかで、今年の夏を快適に過ごせるかどうかが決まります。
さあ、今すぐ薬局に行ってホウ酸を手に入れましょう。