タイトル写真 耐乏Press Japan.
全日本貧乏協議会
Mar.
2001
特小号

目次
特集

 男の菓子づくり

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 編集後記/次号のお知らせ

特集
シリーズ:小麦粉、大好き!
男の菓子づくり
男だって手作りでええじゃないか
バレンタインデーのお返しをせまられるというホワイトデー。そんな風習など無視できる人は幸せだけれど、律儀な人は手作りで返しちゃいましょう。全レシピを写真で紹介。
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●世間の風習に負けてしまう貴男へ

 バレンタインデーなんて風習は、はっきり言って迷惑です。いや、別にもらうのはかまわないのですけれど、本来の目的を大きく離れ、ホワイトデー(考えてみれば、なんなんでしょうか、白い日だなんて)には3倍返しなどと訳のわからない情報が流布しているじゃあないですか。まったくもって、返す側からすれば迷惑な日なのです。

 私は、ホワイトデーのお返しなんて絶対にしないことを明言していますし、私を知っている女性陣も十分に理解してくれています。不意に予想外の方面からもらったとしても、もらったときの「ありがとう」の一言をもってお礼のお返しとしていますから、ホワイトデーなんぞは無関係なのですけれど、世の男性すべてがそういうわけにもいかないでしょう。

 最近、不況のおかげでバレンタインも手作りのお菓子が幅を利かせているらしいですから、男だって手作りで済ませても良いのではないでしょうか。そんな思いを込めまして、今月の特集では、小麦粉で簡単に作れるお菓子の代表格・クッキーをちょっとだけ紹介いたします。

●道具・材料は簡単です

道具  菓子やデザートというのは、料理のなかでも最も難しいジャンルです。道具を知り、素材を知り、気候を知らなければ、作れない物なのです。しかしまあ、それはプロの世界の話ですし、ホワイトデーは目前なわけですから、ここでは失敗しないホームメイドクッキーを紹介します。菓子づくりなんて不慣れな男性向けレシピですから、細かいところも解説してあります。書いてあるとおりにやれば、まず成功するはずです。

 必要な道具は、以下の通りです。

  • ボール
  • ざる
  • 包丁
  • 計量カップ
  • 計量スプーン(大さじ)
  • 普通のカレーを食べるようなスプーン(無くても可)
  • オーブントースター
 持ってますか? 持っていなければ、誰かに借りてきましょう。今回必要な道具は、トースター以外は100円ショップで入手できるものばかりですが、これくらいの基本アイテムを持っていない貴男なら、買っても使わないでしょうし、借りて済ませることが賢明です。ちなみに、筆者のオーブントースターは借り物です。電子レンジよりも役に立ちます。

 次に、必要な材料は以下の通りです。小さめのクッキーが14個作れる分量です。

  • 小麦粉(薄力粉) 100グラム(計量カップ1杯分)
  • バター 60グラム(バターの包装におおよその目安があります)
  • 砂糖  30グラム(大さじ3杯分)
  • バニラエッセンス(無くても可)
 これらの材料は、安いときなら小麦粉は1キログラムで98円。バターは200グラムで188円。砂糖なんて、買ったらしばらくは買わないでも済むようなものですから、コスト面では考慮の必要すら無いという気がします。市販のクッキーを買うより安いってのは、言うまでもありませんね。

●バターを練り、砂糖を加えます

バターを切る  バターは、クッキーづくりの数時間前に常温に戻しておくと練りやすいです。まあ、冷蔵庫から出してすぐでも、手で練るのであればすぐにやわらかくなりますけれど。バターの使用量は、60グラムです。
 さて、バター60グラムをどうやって切るかといいますと、市販されている四角のバターなら、大抵は包装紙に10グラムずつの目安が印刷されています。これを、6目盛り分切れば、60グラムになります。クッキングスケールなんて無くても平気です。

バターを練る  では、バターを練りましょう。べたべたするのが嫌でしたら、常温に戻したものを大きめのスプーンで押しつぶしたりこねたりして行けば、かたいクリーム状になってくれます。手でこねれば、手の熱で早めにやわらかくなります。今回は、写真を撮りながらのクッキーづくりでしたから、スプーンを使いました。

砂糖を混ぜて練る  バターがクリーム状になったら、砂糖30グラムを加えます。これは、大さじすりきり3杯分です。すりきりというのは、計量スプーンから飛びでないということです。計量スプーンのくぼみより上の砂糖は、つまようじでもなんでも構いませんので、すり落とします。バターに砂糖を加えたら、均一に混ざるように練ります。滑らかになるまで混ぜましょう。ちょっと常温に放置したアイスクリーム程度の堅さまで練れば十分です。

バニラエッセンス  バニラエッセンスを持っている場合は、ここで加えます。絶対に入れすぎないようにしましょう。ひと振りか、ふた振りすれば十分です。入れすぎては駄目です。

 今回のクッキーづくりで、しっかりと練るのはこの行程までです。これ以降は、練りすぎは厳禁になります。

●粉をふるい入れる

 さて、いよいよバターに小麦粉を加えますが、ここから先の行程を間違えると、失敗します。石より硬いクッキーにしたくなければ、必ずレシピを守ってください。

ざる  写真のようなざるでかまいませんので、小麦粉は必ずふるい入れます。粉はふるって使うのが原則です。「別にふるわなくても大丈夫」とか、「面倒だからいいや」とか呟きながらそのままどっと入れてしまおうとしている貴男、その時点で失敗は確定します。必ずふるいましょう。

ざる  計量カップの200ccの線まで小麦粉を入れれば、それが100グラムです。計量した小麦粉を、ボールの上に持ってきたざるにあけて静かに振れば、小麦粉がさらさらと小雪のようにバターの上に降ります。ね、ふるわないのとふるったのと、小麦粉が全然違うでしょ!? 絶対にふるって入れるのが肝心なのです。

●生地をまとめる(練らない!!)

まとめます  いよいよ、バターと小麦粉を混ぜて生地にします。ここからは、手が汚れるから嫌だ! なんてことは言わずに、素手で生地をまとめます。右手でも左手でも構いませんので、片手だけを使って混ぜましょう。決して、強く押したりこねたりしてはいけません。練ってしまうと、石より硬いクッキーができあがります。さっくりほろほろのクッキーを焼き上げるためには、慎重に、粉とバターが混ざって生地になっていくまで気長に混ぜます。最初は、「こんなの、混ざらないよ。レシピが間違ってるんじゃないの!?」と言いたくなるくらいに混ざりにくいですが、レシピ通りならば必ずまとまります!

まとめるだけです  だんだん、小さなかたまりが出来始めたら、それらをくっつけていく感じで生地をまとめていきます。強く押さないことが肝心。ましてや、練るなんて厳禁です。軽く指で混ぜながら、小さなかたまりを大きなかたまりにくっつけて吸収させていくような感じでまとめていってください。

練っちゃ駄目  ほら、辛抱が実れば、ひとつの大きな生地になります。不安定で、ちょっと強く触ると割れてしまうようなかたまりになれば成功です。不安だからといって、練っては駄目。ここでほろほろと割れやすいと言うことは、焼き上がりは囓った途端にさっくりほろほろするような優しいクッキーになってくれるという証拠なのです。

●ちぎってまとめて並べます

ならべます  さて、優しい気持ちでまとめた生地を、クッキーの形にしていきます。まず、アルミホイルでクッキーを並べる皿を作ります。オーブントースターに入る大きさにしなければなりませんので、現場あわせで作ってください。

 生地は、適量をちぎってとり、500円硬貨よりちょっと大きめで厚さは5ミリくらいの円形にします。厚すぎると、生焼けの原因になりますので注意してください。形は、見た目にこだわらない方が良いでしょう。多少のでこぼこがあったほうが、手作りを感じさせてくれます。

 形成した生地は、作ったアルミ皿に並べられるだけ並べます。焼くときにクッキー同士がくっつかないよう、必ず間隔をあけるようにしてください。一度に全部を並べられないときは、数回に分けて焼きましょう。

 ここでも、生地に力を加えないように注意してください。せっかく優しくまとめた生地も、形成の時に力を込めて丸めてしまっては台無し。石より硬いクッキーになってしまいます。

●焼きます

焼きます  さあ、いよいよ生地を焼きます。ここで必ず守ることは、オーブントースターは事前に暖めておくと言うこと。620Wのオーブンなら、焼き時間は5〜6分です。ダイヤルを焼き時間より2分余計に回し、2分経過してから生地を入れましょう。さて、貴男のオーブントースターでの焼き時間の割り出し方ですが、本体にクッキーの焼き時間が記載されていれば、それの通りに。記載がなければ、トースターのワット数を調べ、620W前後ならば5〜6分。ワット数が不明か、620Wから大きくかけ離れた数値の場合でしたら、トーストがきつね色になるのと同じくらいの時間が目安です。初めて焼くときは、オーブントースターから離れないようにしましょう。

焼けました  ちょっと焼き色が着いたくらいが焼き上がりです。オーブントースターを開けると、バターの良い香りがします。ここでも注意事項があります。焼きたてはやわらかいのです。これを冷ますと、サクッとしたクッキーになるのです。「なんだ、まだやわらかいじゃん。もうちょっと焼こっと」などとやってしまいますと、石より硬いクッキーになる可能性があります。焼き目が着いたら、完成なのです。バターの油分がじゅぶじゅぶ言っているはずです。それだけ熱いわけですから、形成の段階で分厚くしていない限りは火も通っています。心配な貴男、もしも電子レンジがあれば、軽く加熱すれば安心です。

冷まします  焼きたてのふにゃっとしたクッキーを、そっと丁寧にアルミ皿からはがして、紙の上に置いて冷まします。紙が余計な油分を吸い込んでくれますし、湿気も逃げますから、サクッとしたクッキーになります。10分ほど冷ますと、あら熱が取れてちゃんと固まります。ホームメイドクッキーの完成です。

●サクッと完成です

完成です  さあ、貴男の焼いたクッキーはどんな味がするでしょう。さっそく、ひとつ試食してみましょう。囓った途端にサクッとして、ほろほろと崩れるような、それでいて中はしっとりとしたクッキーになっていれば、大成功です。たとえ多少の難があったとしても、貴男が満足できるならば成功です。バレンタインデーにチョコレートをくれた人に、貴男の手作りクッキーをお返ししましょう。

 プレゼントですから、包装にも気を使わなければなりません。そこは、貴男の個性で思い思いの包装を用意してください。クッキー2〜3個を和紙にくるんでテープでとめるだけだって、立派な包装です。なにかの拍子にしまい込んでおいた包装紙を利用しても良いでしょう。アルミホイルにくるんで渡すのも、男らしさの表現としては良い演出でしょう。こういう演出なら、クッキーの形はワザとでこぼこにするくらいの工夫も良いですね。

 さあ、ホワイトデーは安上がりな手作りクッキーでさっさと済ませてしまいましょう。


投稿記事
読者の声

毎号楽しみに拝読しております。
今日も貴殿のHPを読んで、夕食はピザでも取ろう〜と思っていたのが、改心して自炊にしました。すごい威力です!
「貧乏人、東京に行く」を読みながら、貧しさに耐えて生きることの美しさ・・・のようなものを、なぜか感じてしまいました。不思議です。
そしてそんな貴殿がこの時代、すごくカッコイイ・・そう感じるのは一時の気の迷いでしょうか?

投稿:白雪

私は、ピザが食べたくなるとピザトーストを食べています。パンが安くないときは、パスタの生地にケチャップとタマネギとマヨネーズをトッピングして、オーブントースターで焼いて食べています。マヨネーズが、なんとも効果ありです。

ところで、カッコイイというのは、やはり一時の気の迷いといいますか、大きな勘違いだと思います。1袋25円のもやしの前で右手を頬にあてながら「高いなあ」と悩む姿なんて、なんともいえぬ情けなさがにじんでいると思います。いっつも同じ格好ですし、冬なんかはアクリルを着込んでいますから、静電気の塊です。夜中に家に帰ると、車のドアで青白い光を目撃します。そういうときだけは、実際に光り輝いています。一瞬ですが。

こんなページですが、今後も読んでやってください。

開庁

はじめまして、masa2と申します。
いつも楽しく拝見させていただいてます。

2月号の東京へ行く特集読まさせていただきました。余計なおせっかいかもしれませんが、 この次東京へ行かれる時のために都内の安宿をご紹介させていただきます。(ご存知かもしれませんが)

常磐線南千住駅から徒歩五分程度のところに南泉荘という安宿(素泊まりですが)あります。 この地区は山谷が近い事もあり1泊2500円程度のところが多いのですが南泉荘は1泊900円から1000円とのことです。(ちなみに私は泊まったことはありませんが)

移動手段は都バスですと1日乗車券500円ですので、都バスは一律200円ですから3回乗車すればおとくですよね。ちなみに南千住−東京駅八重洲口のバスがあります。(途中どこを通るかわかりませんが・・・)

また、日帰りで東京へ行く時は、石下駅から常総線にのらないで、車で藤代町役場(国道6号線沿い)の駐車場までいき、そこに車をおき徒歩10分ぐらい歩いて藤代駅からJR常磐線で東京へ向かわれたらよろしいかと思います。

交通費の節約は確実です。ただし、藤代-秋葉原間は若干高くなりますが・・・(片道820円か950円になるかと思いますが)

こんごも頑張ってください。

投稿:masa2

役場の駐車場というのは盲点でした。天王台に、1日1,000円の駐車場があるという話は聞いていたのですけれど、役場なら……。

それにしても、一泊900円からの宿とは安いですね。今度は、日帰りではなく、一泊二日で東京を旅できそうです。……ところで、一泊900円だと、30日間利用しても27,000円。や、家賃よりも安い。常連さんがいっぱいいらっしゃる気が……。

しかし、いつの間に都バスが200円になったんでしょう。私が最後に利用したときは160円だったと記憶しています。ええと、たしか、東京駅から晴海三丁目まで行った気がします。あ、もう一昔前の話だ。

回腸


編集後記/次号のお知らせ
編集後記
徐々に暖かくなってきましたが、まだ寒さは抜け切りませんね。先月号が発刊されて、まだ数日しか経っていないのに、3月号が予告通り3月上旬発刊という快挙は、寒さの和らぎを裏付けする証拠かもしれません。4月号は、どうせ下旬になるとは思います。約1ヶ月の間、写真家活動に専念しますので、今月は特小号でご勘弁を。4月といえば、新しい生活が始まる季節。私も、せめて陽が昇る前には寝るようにしたいものです。(か)
次号のお知らせ
耐乏Press Japan. 2001年月号 4月中旬発刊予定

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連載記事

  西つくばファッション通信(5)
  発掘!!貧乏図書(3)
  貧乏彩時記(8)

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