タイトル写真 耐乏Press Japan.
MAR.
2000

全日本貧乏協議会


CONTENTS Mar.2000
●特集

 貧乏人は米を喰え

●連載記事

  サンキファッション通信(3)
  
貧乏大全第1巻
  
新・貧乏物語(2)

 
●投稿記事

 貧者の知恵
 読者の声


 編集後記/次号のお知らせ


●特集

特集 貧乏人は米を喰え

貧乏人こそ、米を喰え

1950年、池田勇人蔵相は「日本人は皆同じものを食べているが、古来の習慣にもどって所得の多い者は米本位、所得の少ない者は麦本位というようにいたしたい」と12月7日の参議院法務委員会で発言しました。俗に言う「貧乏人は麦を食え」という発言として有名です。フランス革命は、マリーアントワネットの「あら、パンがないのならお菓子を食べればいいじゃないの」という発言が引き金を引いたと言われています。

どうも、貧乏人は主食を食べてはいけないという風潮が根ざしているのは、納得がいきません。貧乏人こそ、日本人なら米を喰わなければならないのです。そりゃ、米といったら貴重品であることは確かです。でも、日本人としての遺伝子には、米を喰うことで体の底から力がみなぎるような何かが刻まれているような気がしませんか。白い米とみそ汁を目の前にすると、なんだか安堵しませんか。

パワーなら肉の方が、なんて思うかも知れませんが、アメリカ人に比べ、日本人の腸は長いというデータがあります。農耕民族であるわれわれ日本人は、米からのエネルギーを有効に摂取できる体を持っているのです。持久力こそ、貧乏人に必要な力。今月は、米を喰い、長い腸でゆっくりと栄養を吸い込み、今日を明るく生きるために役立つ特集です。

米の炊き方

米の入手については、各自あらゆる手段をつくしてください。これだけは、いくら全日本貧乏協議会でも書けませんなんとしてでも米を手に入れましょう。入手した米を炊く方法は、耐乏PressJapan.がばっちりお教えします。

なんといっても米を炊くなら鍋です。貧乏人には炊飯器なんて米を炊くだけの電化製品など不要。アウトドア経験のある貧乏人ならすでに実践しているはずですし、地方のお年寄りは今でも鍋で米を炊いているのです。昨日の夜に炊いた飯が、今日の朝食時にはコタツから出てくるのです。さすがにかまどのある家は少ないでしょうが、せめてガスコンロがあるのならば米くらいは電化製品に頼らず、鍋。

では、さっそく鍋で米を炊くレシピを大公開します。

■米の炊き方

  1. 米をとぐ

    1回目は水で軽く洗い、ゴミを落とす。2回目、3回目でとぐ。3回でおしまい。水が濁らなくなるまでとぐと、貴重な栄養が失われる。貧乏人なら、とぐのは3回
  2. 鍋に入れた米の量+αの水をはる

    +αの水量は、米によって異なる。新米なら10%、それ以外なら20%の水量
  3. 鍋にふたをして、強火、もしくは中火にかける

    火加減はお好みで。ただ、どんなに弱くても中火まで
  4. 吹きこぼれたら、5秒待ってから弱火にする

    5秒待つのがこつ
  5. 水がなくなるまで(15分ほど)弱火で煮る

    弱火が重要。強いと焦げるし、とろ火では芯が残る場合がある。
  6. 水がなくなったら、3秒間だけ強火にしてから火をとめる

    3秒間強火にすることで、鍋の中に水蒸気をため込む。これが、蒸らしで生きる。
  7. 10分間、蒸らす

    鍋の中の熱や水分がしっかり米の中まで入り込み、ふっくらする。重要な行程。
  8. 鍋のふたを取り、しゃもじでまぜれば完成
鍋で炊いた米

レシピ通りにやれば、まず失敗はないでしょう。最初のうちはおこげができたり、多少芯が残ってしまうかもしれません。けれど、鍋で炊くというプロセスを楽しむことで、お米をよりいっそう美味しくありがたく喰うことができるのです。おこげを自在にコントロールできるようになれば、レパートリーも広がります。おこげで作ったおにぎりに、お茶をずわっとかけてつくる茶漬けなんて、年齢が上の方なら喜びますよ。実は、中華料理ではおこげ料理がけっこう高級だったりしますし。

飯とみそ汁 こうして炊いた米は、みそ汁だけでも実に旨く喰えます。米と味噌。日本人の琴線に触れるなにかを秘めた食を喰い、米の持久力と米から得る精神力を蓄えることで貧乏を明るく生きましょう。

飯の長期保存には乾し飯

一人暮らしだと、炊いた米を余らせてしまう場合もあるでしょう。残さずに喰ってしまうのもひとつの手ではありますが、無理をしては体に良くありませんし、胃袋が拡大してしまうとあとあとが大変です。これは、保存することにしましょう。

保存方法としてすぐに浮かぶのは冷蔵庫と冷凍庫。すぐに食べるとわかっているならば、冷蔵庫に保管しておき、チャーハンや雑炊にするか、焼きおにぎりにするか、電子レンジがあるならば温めて喰う。長期保存であれば冷凍してしまい、やはり雑炊にでもして喰う。でも、貴重な冷蔵庫・冷凍庫のスペースと電力をなるべく消費しないで保存できれば、貧乏人としてはありがたいですね。

そこで、耐乏PressJapan.が提案するのが、乾燥させてしまうこと。日本古来の保存方法、乾し飯です。

乾し飯 使用するエネルギーは、無限で無料の太陽光。まず、余った飯をざるにあけて水で洗います。これを新聞紙の上にでもざっと並べ、天日でからっからに干せば完成。実に簡単ですが、干すという行為の素晴らしさを実感できることでしょう。乾し飯は、湿気のないところで常温保存しておけます。カビが生えなければ食べることができるので、10年以上長持ちさせることもできるようです。

乾し飯の雑炊 一度熱を加えてあるわけですから、インスタント食品的に使えるのも魅力。一番簡単なのは、写真のように雑炊にしてしまうこと。乾し飯が柔らかくなるまで煮れば、もう、飯に戻っています。普通の飯と比べても、遜色がありません。また、病気でダウンしたときなどは、乾し飯を布にでもくるんで堅いもので叩いて粉にします。これに、お湯を注げばすぐに口にできます。乾し飯を粉にした物を米粉といい、これは、一度加熱された米ですから、湯で溶くだけで喰えるのです。単に米を粉にした物はしん粉で、しん粉餅などはこちらで作りますが、加熱していないわけですから、蒸す必要があるのです。

乾し飯は、日本の貧乏人にとっては究極の保存食です。

米は最高

お米の炊き方と保存方法。簡単な特集でしたが、いかがでしたでしょうか。米が喰いたくなった、なんて感想を持たれたら、嬉しい限りです。ただ、喰いたくても米が入手できない時には酷な特集だったかも知れません。

衣食住のうち、食は最優先されるべき項目です。喰わなければ、死にます。少ない金銭を有効に使うためには、コンビニでパンを買うよりは安売り店で米を。金額にあわせた量を小売りしてくれるお米屋さんを捜すのも良い方法でしょう。

貧乏人は、米を喰いましょう。


●連載記事

サンキファッション通信  〜第3回:春の装いを準備しよう〜
もうすぐ、ジャンパー不要の暖かな季節がやってきます。春らしく身軽な服装で軽快に活動するためにお薦めなのが、ポリエステルのベスト。春の暖かな日差しの中、活動を邪魔しないベストで商店街や野原を闊歩しましょう。

アルミベストと裏起毛シャツ

アルミベスト/ポリエステル100%/¥399/ファッション市場サンキ 裏起毛ハイネック長袖シャツ/アクリル100%/静電防止加工/¥399/ファッション市場サンキ
ポリエステル100%のベストが不意に吹く風から体を守ってくれるので、日があるうちの活動に便利。裏起毛のハイネックシャツを合わせれば、のど元も暖かに守ってくれることでしょう。さらに暖かくなれば、半袖のシャツに替えることで初夏までは着続けることができます。この春、定番の一着にいかがでしょうか。

今月のお値段:¥798


貧乏大全第1巻
新・貧乏物語

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。3月ともなりますと暖かい日々が少しずつ増えてきますところ、私が全日本貧乏協議会の会長を勝手に務めている川上卓也です。いや本当に春の近づきを感じますですね。
 「会長ぉ〜」
 おや、その迷彩服の上下と職質されてもおかしくはないヘルメット……癪にさわる高校生、シゲ君ではないか。
 「どもだっけやぁ。会長、また変なことやってんのけ」
 何ともイヤな性格をしているね、君は。これでも私なりに『貧乏』という言葉を見つめて色々と考えておるのだよ。それを『変』のひとことで片づけるとあっては、これ、シツレイというものですよ。
 「他人がどう思っても自由だぞ。で、今月は何をやんでぃ」
 うむ。今という時代を語るにあたって、最低でもいわゆるバブル経済の頃についてはおさえておく必要があるでな。今月はそれをやるってなわけだ。
 「マルチ商法で社長が逮捕されたっけか」
 それはバブルスターの原ヘルスだこの馬鹿者。昔は京浜東北線から広告看板が見えたものだよ……って、なぜ高校生の君が知っているんだ。
 「物心ついた頃から新聞チェックは日課だからよ」
 癪にさわるねぇ、君は。コホン。前置きが長いと読者の皆様がお疲れになるから、さっさと本題に入るとしよう。

第1部 『貧乏の時代がやってきた』
第2章 『バブルという名の一億総中流時代』

 さてバブル。80年代の夢物語だったけれど、目覚めの悪い夢だった。残ったのは銀行の不良債権と勘違いのブランド信仰、古き良き文化の消失と、悪いことだらけじゃよ。わかるかい、シゲ君。
 「地価と株価の理由なき高騰に踊らされた人々」
 これから色々と話をしようというときに、ひとことでまとめるんじゃありませんよ、まったく。まあ、この物語で重要なのは文化をないがしろにした文明を築いてしまったという点なのだけれども。なにしろ、この頃はみんな、経済が好調だってんで、消費に明け暮れてしまった。この消費ってのが、自分よりも上のランクのステータスを求めたものだった。値段が高ければ良いもの、良いものは値段が高いという勘違いのブランド信仰が流行だったわけだ。
 「ホイチョイプロダクションの見栄講座なんてのもあったね」
 君は本当に高校生なのか。まあ、いい。では、なんでブランド志向につながったのかを話そう。そもそも、バブル経済ってのは女子大生・OLを巻き込んだ財テクブームもその一環をなしておる。経済状態を潤してブランドを買いたいという若い女性たちの財テクブームが、マスコミや企業を踊らせた。あらゆるもののブランド化を計るわけだ。
 「ああ、オヤジギャルなんてのがあったな、確か」
 もう、君がなにを言っても驚かないぞ。で、そのブランド嗜好が若い女性の枠を越えて広まっていく。経済状況はとっても良いわけだから、売れる。マスコミも企業も、ブランドを全面に押し出して、大きな流行をつくる。
 「物だけじゃなく、遊びの世界にも広まったわけだ」
 私をスキーに連れてって、とかね。トレンディードラマなんてのも、この頃からだろう。ドラマの主人公、いい部屋に住んでおるな。あんな部屋、いったい家賃はいくらなのか。家具一式揃えたらいくらかかるのか。でも、これが流行となって、ドラマと同じような生活を求めてしまう。ドラマの設定がめちゃくちゃなんだから、視聴者が真似ても分不相応なのだけれど。
 「おらが零戦に憧れるのと同じなのかな」
 それは、ブランド信仰とはまた少し違うんではないかい。沖縄へ修学旅行に行って迷彩のズボンを買ってきたり、知り合いにアメリカで迷彩のジャンパーを買ってきてもらったりするのは、一部のマニアのやることだ。
 「入手経路をばらさないでよ」
 コホン。話を戻そう。つまりこのブランド信仰ってのは、「まわりにおいていかれたくない」が「まわりと同じでいたい」にシフトしていった結果なのかもしれない。消費者のブランド信仰は、マスコミや企業のブランド振興に踊らされたものでもあるだろう。
 「ここ数日の寝不足はこれを考えてたんだね」
 茶化さないように。当たっているだけに癪にさわるのですよ、君。まあ、マスコミに煽られて人々はより上を目差してしまった。問題なのは、それが良いものだから買うんじゃなくて、他人が一目見て高いものだとわかるブランド物だから買うっていう具合だったということだよ。服、車、家……。見せかけのステータスを求めて買い漁る。借金なんて簡単に返せるというすり込みもあったし、まわりに負けないようにって言う意識で買っちゃったんだろうな。中身のないブランド商品を。これは、ブランドという名の偶像崇拝だよ。
 「会長、ドラクエ3は抱き合わせ商法で買ったんだってね」
 イヤなことを思い出させないように。私が中学生だった頃の汚点ですよ、それは。

 しかしまあ、バブル時代の浮かれポンチなブランドブームによって、ビニルやプラスチックの製品が大量生産、大量消費されるという構図がいっそう強まってしまった。はっきり言って、ビニルだのプラスチックなんて、ゴミだよ。木とか竹とか、焼き物なんかの、自然の物を使った昔からの文化が徹底的に影を潜めたね。なんだろうね、あのプラスチックでできた収納ボックスってのは。
 「キャスター付きで、まあ便利ってやつだな」
 こういったものに、ブランド価値が簡単につけられてしまったのがバブル時代。年齢層も幅広く浸食されたわけだ。真の価値のない偽物を喜んで購入することが、単にゴミを買っているだけだって気が付かない。
 「やれやれだどなぁ」
 物だけではないぞ。テニスが流行りってなれば、みんなテニス。ラケットなんて、とりあえず有名なブランドのやつを買ってしまう。テニスウェアもブランド物。そんなのが、避暑地あたりのテニスグランドで大きな顔をするわけだから、本当にテニスを楽しんでいる人間にしてみれば迷惑。昔ながらの料理屋がちょっと雑誌に紹介されると、行列ができる。マニュアル本見て来る連中に、その店の良さなんかわからないでしょ。で、常連さんが行きづらくなる。マスコミに踊らされた連中なんか、波がひくように来なくなる。店、潰れる。
 「今月は、なんだか辛辣だど」
 バブル時代を検証するにつれ、どうもやり場のない怒りがこみ上げるのですよ。まったくもう。永遠に続く訳のないバックボーン無き好景気、バブル経済は結局崩壊して、いまはそのツケに悩まされているわけですから。まあ、いい。今考えると、バブルの頃のブランド信仰って、気が付かない中庸意識でしかなかったのですよ。
 「それで、一億総中流時代か」
 うむ。バブルが終わっても、この中庸意識だけはしっかり残ってしまった。
 「まわりと同じじゃないと変だっていう恐怖感」
 良いところを最後まで持って行くんじゃありませんよ、本当に。
 「ところで、ドラクエ3といっしょに買わされた銀河の三人はクリアできなかったのけ」
 そうそう、あっちのほうが時間をかけた気がするけれどね。あの当時にまだパスワードだったからなあ……って、最後に阿呆な話題に持っていってはいけませんよ、まったくもう。

 では、会長は帰るぞ

第2章 完
文責:全日本貧乏協議会会長 川上卓也


●投稿記事

貧者の知恵

貧乏人9箇条

  1. 雨の日でも風の日でも2駅、3駅くらいは歩く。ダイエットにもなる。
  2. ティッシュは半分に切って使う。
  3. チラシは裏返してメモ帳に。
  4. 懸賞サイト 必ずあたる懸賞に応募。(回線はフォームに記入し終わるまでもちろん断線。)
  5. タダのHPで化粧品サンプルを申し込む。(1ヶ月は余裕ですごせます)
  6. お腹がすいてお茶がしたくなったらもちろんデパートの試食品売り場へ。
  7. フリーマーケット。
  8. 冷たくなったオフロの湯は洗濯機の中へ。
  9. 送られてきた封筒から80円切手を器用に剥がす。
ありきたりですいませんでした。

投稿:yononakakanedarake-


読者の声

たまに楽しく読んでます。私はこの度東南アジアに行ってまいります。ガイドブックなどを見ていると心が弾みます。タイ1バーツ3円くらいとして、安い宿なら1泊35バーツくらい、屋台1食10バーツくらいと、物価の違いにウキウキします。貧乏生活で貯めたお金での旅行ですが、ムコウデハ普通の生活をエンジョイしてきたいと思います。

投稿:めぐこう

まるで深夜特急の世界ですね。深夜特急を読んだ方の多くが、香港〜東南アジアが一番面白いと言うらしいですから、さぞかし楽しい旅になりそうで羨ましいです。
帰ってきたら、ぜひ耐乏PressJapan.まで旅のご報告を。

インドに行きたい編集者


●編集後記/次号のお知らせ

編集後記

■もうすぐ、桜が咲いちゃったりします。■桜というのは、なんかこう、日本人の魂に語りかけてくるメッセージを秘めているような気がします。■貧乏人だって、場所さえ見つけられれば花見くらいできますよね。今年は、トリスでも飲みながら花見&撮影でもしようと思ってます。■なにせ、去年の撮影では満足のいく写真が撮れなかった。桜の花ってやつはその命が短い分、残しておきたい願望が沸々と。■でも、結局は自分の目で愛でる桜の花が一番。心の印画紙には、いつでも満開の桜が。(か)
次号のお知らせ
耐乏Press Japan. 2000年月号 4月中旬発刊予定

●特集

 未定

●連載記事

 サンキファッション通信(4)
 新・貧乏物語(3)
新連載
  貧乏彩時記

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●投稿記事

耐乏PressJapan.では、皆様からの投稿をお待ちしております。詳しくはトップページをご覧ください。



耐乏Press 耐乏Press Japan. 発行:全日本貧乏協議会(taku3@jh.net) 発行部数:24901 冊
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