貧乏大全 第二巻
貧乏大辞典第二版
全日本貧乏協議会
ら行

 
らいかばん【ライカ判】
ライカのカメラなど買えないので、三五ミリフィルムのことをこう呼んで気を紛らわせる。
らいきゃく【来客】
主に、手ぶらで訪れる客。
らいひん【来賓】
主に、手みやげを持って訪れるお客様。
ライフライン
料金を滞納することで簡単に停められてしまう、水道・ガス・電気などの都市生活者が生きていくのに不可欠とされる供給路で、大昔には存在しなかったもの。
ライフワーク
貧乏。
ラジオ
テレビを持たない貧乏人にとっては貴重な情報源となるトランジスタ製品であり、緊急災害時には受信したいところであるが、「まずはこちらの映像をご覧ください」と流れてきたときにはちっともホットではなかったメディア。
ラジオたいそう【ラジオ体操】
寝起きの体を目覚めさせ、体を解し、一日をスムーズに過ごすためにラジオに合わせて行う運動。問題なのは、就寝時間が放送時間と重なることが多いため、本来の目的を果たせないことが多いことである。
らっかろうぜき【落花狼藉】
部屋を整理するために購入した百円ショップの収納グッズが部屋に散らかっている様子。
らんだ【懶惰】
ものぐさ、怠け者の意であるが、朝から濃厚なビフテキを喰って盛んにスポーツするイギリス人からすれば、粥や煮豆を喰って按摩や点灸で健康を保つという日本人はものぐさに映るのかもしれないし、同様に毎日満員電車に揺られて通勤して丸一日働き続ける会社員からすれば、僅かばかりの生活費を稼ぐ程度のアルバイトしかしないで生活している貧乏人などは怠け者にしか映らないかもしれない。
らんどく【濫読】
「くだらないことばかりよく知っているね」と言わせるための影の努力。
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サイクル、フォーム、メイクなどの前に付記することで、語の意味をゴミを作ることに変化させる作用を持つ。
りきせつ【力説】
ある一部分を強調することで、別の一部分に存在する弱点には気がつかせない方法。
りくつ【理屈】
世の多くの人がもっともだとする考えだが、もしもこの多くの人が百人中五一人だとすれば、約ふたりにひとりは理屈の通らない人間になってしまうなどということ自体のこと。
リサイクル
多くの先進諸国では、廃物となった資源を再び資源として再利用すること。日本では、牛乳パックで小物入れを作ること。
リサイクルほう【リサイクル法】
平成十三年四月より施行された法律で、段取りの悪さの手本。
りしょう【離床】
春は「春眠暁を覚えず」、夏はあまりの暑さに明け方まで眠られず、秋は夜長を楽しみ、冬は凍えるような寒のために困難な、寝床を離れるという現実との境目。
リストラ
首切りの意の和製英語。英語のリストラクチャリング(=構造改革)が語源とされているが、意味があまりにもかけ離れてしまっているし、英語にはディスミスやレイオフという語も存在するので、その点については謎とされている。
りち【理知】
正しい判断をするだけのロジックを持っていること。
りっきゃくてん【立脚点】
自分の居るべき場所。思想・哲学に基づいた自己のあるべき立場。
りっぽうふ【立法府】
国民から票を買い集めた人々によって形成されたいくつかの群によって成り立ち、最も大きな群に利益をもたらす法律を定める場所。国会。
リニューアル
主に地方で、喫茶店が居酒屋やナイトパブに至るまでに行われる何回かの改装。
りゅうげんひんご【流言貧語】
世の中が不況で喘いでいると、どこからともなく伝わってくるようになる根拠のない貧乏話。
りょうぎりたばこ【両切り煙草】
両端が切りっぱなしでフィルターのない紙巻き煙草。銘柄の書かれた側に火をつけて吸うことで、吸い殻を見ただけではどの国の何という煙草なのかという判断が困難になるため、戦場の兵士は両切り煙草の吸い方まで教育を施されるという。ゴールデンバットを短く切って煙管で吸う奇異な若者を見かけたならば、それはかなりの確率で筆者であると思われる。その吸い殻は、フィルター付きの煙草しか知らない者が見ても、煙草とはわからないであろう。
りょうり【料理】
厨房にて、レシピ(=フランス語のレセピーによる)に基づいた温度管理、仕込み、調理、後片付けを行うこと。
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るいじ【類似】
見た目において、明らかに違う部分を探す方が難しいこと。
るいじんえん【類人猿】
見た目や人の言葉を喋ること以外に猿との違いが見当たらない人間のこと。
るいせきあかじ【累積赤字】
無能の積み重ね。
るいべつ【類別】
「金持ち」「貧乏人」「借金生活者」というような大まかな分類。
るす【留守】
家の中に人が居ない状態、もしくは集金人に対して支払うべき金銭を持ち合わせていない状態。
るすばんでんわ【留守番電話】
通話料金をすこしでも多くむしり取りたいと考えた電話会社によって発明された、要件が満たせないことを知らせてくれる機械。
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れい【例】
責任を逃れようとする際にすがろうとする過去の出来事。
れいあんしょ【冷暗所】
直射日光が当たらず涼しくて風通しの良い、乾物や写真フィルムの保管に適した場所。現代では絶滅の危機に瀕している。
れいかい【冷灰】
冬の朝、火鉢の中でかつては炭であったことを頼りなさげに辛うじて保っている寒々と白けた灰。
れいぎ【礼儀】
奢ってくれる人に対して尽くすべき敬意表現と言葉の選択。
れいきん【礼金】
家や部屋を借りる際に搾り取られるお金について、最低限の礼を振り絞った呼称。
れいさい【冷菜】
夕べの残り物の煮物を温めずに喰うこと。味がしみていて旨い。
れいしゅ【冷酒】
味を楽しむだけの力を持った日本酒の楽しみ方。
れいしょう【冷笑】
ふっ。
れいすいよく【冷水浴】
夏場、ガス代を浮かせるために沸かしていない風呂に浸かること。プールに入ったかのような体のだるさは味わえるが、泳いだわけではないので体は鍛えられない。
れいぞうこ【冷蔵庫】
電気料金と引き替えに、冷たいビールという快楽を与えてくれる低温貯蔵庫。残念ながら、ビールは自分で用意しなければならないため、普段は常温だと傷みやすい食品や写真フィルムを貯蔵するために用いることになる。
れいだい【例題】
あり得ない例え話の最たるもの。
れいとう【冷凍】
食品や手間をストックする手段のひとつ。つまり、冷凍食品には手間がかけられているので、買ってしまっては割高であることは言うまでもない。ただ、ここにひとつの矛盾が生じる場合がある。生野菜の高騰である。
れきし【歴史】
手を変え品を変えて繰り返されてきた、人類社会における過ちの記録。「−に学ぶという言葉は、人類が大抵の過ちは既に経験済みだってことの証明だ」
レジデンス
見た目に気を使っている風な分譲アパート。
レッド
ウイスキーの一種。流し込む。
レトルト食品
料理のプロセスを肩代わりして売る技法のひとつ。目的のみをお金で得られるため、家庭からプロセスが稀薄になるという効果もある。
れんそう【連想】
蝉の抜け殻を見て唐揚げを思い出すこと。
れんたい【連帯】
罪や責任を押しつけるために用意する、社会で信用のある会社に雇われている人間。「−保証人」「-責任」
もしくは、自分ひとりだと途中で引き返してしまいそうな場合に、止められなくなるような集合としての意志なるものを作り出すために他人を引きずり込むこと。「−行動」「−ストライキ」
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ろうおく【陋屋】
七人のこびとの置物やパイプベッドや無駄に大きなテレビや景品のぬいぐるみが所狭しとつまっているワンルームマンション。
ろうか【老化】
抵抗するにも金がいる。
ろうしゅう【老醜】
自分の内閣を潰しておきながら、その後も政界に居続けて大臣の椅子に座り、経済をめちゃくちゃにしてしまうような惨めで汚らしい歳のとりかた。
ろうそく【蝋燭】
電気を止められた際に必要となる室内灯。「電気を止められた家で中学生が−を使って受験勉強していたら倒してしまって火事になってしまった」「師匠が誕生日のケーキを作るというので買い物に付き合ったとき、安いからと言って仏壇用の−を買おうとしたときには周りの目も気にせずに大声でお止め申し上げたものだ」
ろうそくのかがく【ロウソクの科学】
科学に対してそれほどの興味があるわけでもないのに、★ひとつで薄いという理由で読まれることの多い、変人かどうかを測る目安となる岩波文庫のうちの一冊。
ろうどう【労働】
頭や体を他人のために使い、その行為に要した時間を換金すること。換金の際の中間搾取を考えると、それだけで精神的疲労を感じる。
ろうにん【浪人】
失業者。
ろうひ【浪費】
世の中に溢れている情報、とくにマスメディアが企業利益のために垂れ流す情報を、なんのフィルタもなしにだらだらと受信し、その情報に騙され操られて行動を起こすことによる、時間と金の消費のこと。
ローション
多量のアルコールを含む化粧品で、ソ連邦崩壊後のロシアでは酒を入手できない人々がこれをラッパ飲みしていた。美味しくない。
ロープワーク
古新聞の回収から人命救助まで、あらゆる日常と非日常を支えられるロープ使いの技術。借金で首の回らなくなった人間に教えてはならない。
ろっぽんぎ【六本木】
一度アマンドに入ってみたいけれどそんなことをしたら地方出身者であることがばれやしないかと不安になってまだ一度も入れずにいる人たちが肩で風を切って歩く繁華街。
ロハ
只(ただ)をロとハに分解したもので、無料の意味。「ギャラなしでこき使われるなんて、−でロバにされたわけだ」
ロボット
チェコの作家カレル チャペックが戯曲の中で用いた造語で、アルバイトと同原とされる。なるほど、雇い主の意のままに働く傀儡と言うわけだ。
ろめい【露命】
日の出と共に消えてしまう露の如く、盲腸にかかっただけで死んでしまうような貧乏人のはかなくもろい命。
ろれつ【呂律】
酒を呑み過ぎると回らなくなるが、首が回らなくなるよりはマシである。
ろんぎ【論議】
擦った揉んだしながらも、より高い相互理解や解決の道を開くこと。「相手の稀薄な論理を潰し合うことを−と呼ぶことには、どうも納得がいかない」
ろんり【論理】
自分の立脚点に基づいた、あらゆる物事へ対する見解と、そこへ至るまでのプロセス。視野の狭さは論理を不安定にするため、専門分野に固執している人の論理ほど物の役に立たないといった現象を引き起こす。
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