貧乏大全 第二巻
貧乏大辞典第二版
全日本貧乏協議会
は行

 
ぱあっと
他人の財布を用いて、主に宴会などを開く際、気分を盛り上げるために奢られる側が言うべき台詞の冒頭。
パートタイマー
おばちゃんアルバイターの呼称という訳ではなく、正社員の勤務時間よりも短い時間、もしくはある期間だけ勤務する人のこと。おばちゃんであることが多い。社会保険に加入できる場合が、アルバイトよりも多いようだ。
ハーフサイズカメラ
35ミリフィルムに、その名の通り半分の大きさで露出を行うので、通常のカメラよりも二倍も撮影できるカメラ。一見、貧乏人にはこれ以上ないくらいに魅力的だと考えるかもしれないが、解像度もハーフになってしまうのであった。
はい【肺】
体内に酸素と煙草の煙を取り入れるための重要な器官。
はいおく【廃屋】
廃屋
ハイオク
置く単価が高いからというのが本当か否かは別問題としても、貧乏人には縁のないガソリンの一種。
はいき【廃棄】
手に入れたときには必要だと信じていたが、いざとなってみるとゴミでしかなかったと気が付いた際に行う行動。
はいきん【拝金】
発行する国が消滅してしまえばゴミでしかない貨幣に対して過剰な価値観を持ってしまったがために、これを尊んでいることが一番の幸せだと錯覚すること。
はいすいのじん【背水の陣】
十分に勝算のある戦において、勝利を決定づけるためにあえて後退の道を閉ざすこと。弱者が少数で水に背を向けることは、自殺行為と呼ばれる。
はいせつ【排泄】
生きるために消費を行ったことの、最低限の証。
ハイボール
トリスをソーダ水で割ったもの。干した蜜柑の皮を浮かべると香りが楽しめる。酒の苦手な女性は砂糖を入れると呑みやすくなるので、貧乏人の家を訪れる際は角砂糖を持参のこと。
はく【吐く】
摂取した食物やアルコールを、自分の生きる力として吸収することなく、入れたところから再び摂取できない形で出してしまうこと。気持ちが悪くなっても、勿体ないからと言い聞かせることでこれを防ぐだけの精神力は維持しておきたい。
はくせい【剥製】
悪趣味の集大成。
ばくち【博打】
丁か半か、白か黒か、いずれにせよ二分の一の確率にすべてを賭け、かなりの確率で異なる側の目が出ること。
パソコン
パーソナルコンピュータの略。これ自体が趣味の人間は散財を繰り返し、会社でこれを使わされる人間は情報管理部か作成する出来損ないのマニュアルに縛られ、文房具に使う人間は限られた表現方法に埋没していく。
はだかいっかん【裸一貫】
体は資本であることを裏付ける言葉。男女平等の世の中、女性であってもこの言葉を使用して良いはずであるが、セクシャルハラスメントだと言われるのはどうしてか。
はだかでんきゅう【裸電球】
暗い上に電気代を食うけれど、陰翳という言葉の前では素敵な照明として納得できる。
はだかむし【裸虫】
困窮して衣服のない人。
はたけのぎゅうにく【畑の牛肉】
栄養学における机上での数値的解釈でしかないもの。肉のない食生活が二週間ほど続いた後に肉をしこたま喰わせてもらったりすると、喰ったその場で活力の漲りが感じられる。大豆では、動物性タンパク質によるエネルギーの満ちていく気分はとうてい味わうことが出来ないため、貧乏人の体は食事内容に敏感であることを証明する結果を得られる。
パッチワーク
継ぎ接ぎ。
はらごしらえ【腹拵え】
握り飯でありたい。できれば、土鍋で炊く飯が望ましい。昆布一切れと塩、酒と共に炊いた飯は、塩で握って喰らうことで、米の素晴らしさを再確認できる。米の持久力を、最も分かり易く受け入れられるのが、握り飯である。
はる【春】
寒い冬もピークを越え、一雨ごとに暖かくなっていくのを感じ、やがて桜の開花と共にその訪れを喜ぶ、日本の四季のひとつ。季節の変わり目というのは、去りゆく季節を惜しみながらも新しい季節に胸を膨らませるという大切なひとときである。特に、寒さの冬が去り、暖かな春がじわあっと近づいてくるというのは、なかなかに嬉しいもである。にもかかわらず、「一雨ごとになどと言いますが、この時期は一週間で気温にして一度、別に雨が降らなくても暖かくなるのです。週に一日くらいは雨が降りますから、そう感じるだけなのです」などと自慢げにしゃべる輩も存在するから腹立たしい。こういうのは、アメリカンシステマチックをねじ曲がった解釈で取り入れた愚かな発言でしかない。日本には、「雨水」「春雨」「梅雨」「五月雨」「時雨」「夕立」「霙」など雨に関する語が多く、他国語には無い単語も存在するくらいに、雨ひとつとっても季節感を大切に暮らしているのだ。ああ、今日の雨は冬とは違う、春のやわらかい雨だなあ、また少し、春が近づいてくるのだなあ、などといった細やかな気持で暮らしたいものだ。
はんズボン【半ズボン】
お坊ちゃんの象徴。
はんせい【反省】
結果に対し、結果の行程に認められる修正すべき点を省みて、次回の計画ではその要因を排除しようとする考え。
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ひあたり【日当たり】
東京では、死語らしい。
ピーティーエー【PTA】
学校単位で結成された、児童・生徒の両親と教師との間で責任のなすりあいを行うための組織。
ビール【麦酒】
「なにか冷たいものでも買っていってやろうか」と言われた際にリクエストすべき、冷たい飲み物の代表格。
ひきでもの【引き出物】
埋め立て地の原材料のひとつ。
ひくれてみちとおし【日暮れて道遠し】
歳をとったのに、未だに住宅ローンが終わらないこと。
ひこうき【飛行機】
ファーストクラスの客から徴収した金で空を飛ぶ乗り物で、荷物としてその他のクラスに乗る人間を運ぶ。
ひっこし【引っ越し】
ふたつの地点間での荷物の大移動という側面の他に、行政的手続きのオンパレードで辟易するという側面も持つ、家財道具が少なければ少ないほど快適になる行為。この大行事を行う要因としては、リフォームによるトイレの水洗化、家賃の値上げなどが挙げられる。どうでもよいが、電気ガス水道電話住民票郵便局への届け免許証車検証自動車保険その他諸々の手続きを全部バラバラに行わなければならないことにはまことに腹立たしいが、その日のうちに処理されるというのは世界各国と比べてもトップレベルであるらしく、したがって世界中のほとんどの人々が、引っ越しによって肉体と精神の苦痛に耐えながら行う行事であるとわかる。この苦痛から解放されるためには、ローンという新たな苦痛を背負って家を建てるか、大きな意味での遊牧民になるかの二者択一しかないとされている。
ひっつみ
すいとんをゴージャスに変身させる別称。
ひと【人】
これほど緻密で、これほど曖昧でどうしようもない生物は、地球上にはこれ以外に存在しない。
ひとまね【人真似】
陰に隠れて行う分には参考になるが、人前でやっても笑われるだけの行為。人前で喜ばれるのはモノマネ芸人だけである。
ひとりごと【独り言】
脳に締まりのない状態での思考の漏洩。「疲れているときに、人前で『肉』って−を呟いてしまったときには、さすがに恥ずかしかった」
ひばち【火鉢】
室内で暖をとったり、乾物を炙ったりするために使用する、炭を燃やすための鉢。「僕の趣味からすれば、瀬戸−よりも長−が欲しいのだけれど、残念ながら手に入らないんだよ、これが。深川に行くとため息が出るね、ほんと」
ひま【暇】
「忙しいって言う暇はあるんだよね」 …… 段平女・A

現実から目を背けることによって作られる時間。

ひゃくえんライター【百円ライター】
販売価格が一〇〇円でも、四九円でも、たとえタダでもらったとしても、使い捨てライターはこう呼ばれる。煙草に火をつけるという点において、これ以上の値段で購入したライターとの違いはあまり確認されていない。
ひやとい【日雇い】
一日だけ、雇われてあげること。
びょういん【病院】
健康保険証を持っていない貧乏人にとっては、国家資格による免許制度や各種法律によって保護された世間知らずの医者どもが、患者から金をむしり取る悪魔の住む巨塔。
びょういんしょく【病院食】
朝食にはクロワッサンと鹿尾菜の煮物というような、生かさず殺さずの、数値だけは優秀な、餌。
ひょうろんか【評論家】
否定論でしか物事を語れない哀れな人種。似非文化人。
ひろうえん【披露宴】
夫婦となる二人に対し、付属物たる親族が世間体のために行う拷問。
ひんかん【貧寒】
これを演出するために、穴のあいたジーパンは持っていたい。穴のあいていないジーパンを持っているかどうかという問題もあるが。
ひんきゅう【貧窮】
貧しくなりたくないのに、ずるずるとずり落ちるように貧しくなってしまった人のこと。
ひんきゅうもんどうか【貧窮問答歌】
山上憶良(660-733頃)が書いた、日本最古の貧乏Q&A。
ひんく【貧苦】
貧乏を始めたばかりの頃に感じる、貧乏の苦しみ。苦しみなんか感じる必要がないことに、そのうち気が付く。
ひんこん【貧困】
経済上の貧しさを表す言葉というよりは、精神の貧しさを表す言葉という認識が適切である。
ひんすればどんする【貧すれば鈍する】
精神が貧することで品性が劣り、愚かになること。
びんぼう【貧乏】
筆者のこと。
びんぼうがみ【貧乏神】
どうやら、編者のアパートに住んでいるらしいのだ。今度、一緒に酒でも飲んでみよう。
びんぼうくさい【貧乏くさい】
貧乏とは似て似て非なるもの。その裏側には、精神の闇が存在する。これこそ、精神の貧困である。バブル崩壊と共に拡大を続けている。勝手にやっていなさい。
びんぼうしょう【貧乏性】
精神の貧しさが、けちけち、くよくよとさせること。貧乏くさい人間の性分。
びんぼうひまなし【貧乏暇なし】
少ない金で喰っていかなければならない貧乏人にとっては、旬の食材を安く、もしくは知人からただで貰い、保存食に加工するために夜を徹して作業しなければならないという意味であり、稼いでも稼いでも借金が返せないなどという愚かな意味ではない。
びんぼうゆすり【貧乏揺すり】
真の貧乏人は心豊かに生きているゆえ、このようなだらしのない動作は行わない。勝手にやっていなさい。
ピンぼけ
オートフォーカスのカメラなんか買えないから、暗闇では常にピンぼけと戦わなければならない。被写界深度も狭くなるから、ピントが少しでもずれるとまるで役立たずな写真に仕上がる。困ったものだ。
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ファーストフード
給餌施設。
ファインダー
覗いていると、その世界に没頭してしまう窓。戦場で危険だと分かり切っている草むらに入り込んでしまうのも、この窓の先に広がる有限の視界が誘惑をするからなのかも知れない。知らないうちに車道に出てしまい、罵声を浴びることならよくある。
ふあん【不安】
明日に喰う米がないことにより現れる、生を維持することに対しての精神の動揺。
フィールドワーク
現在、研究家や評論家と呼ばれる職種の人々が最も行わないと思われる、何事においても最も重要な実地調査などの研究・調査活動。
ふうし【諷刺】
社会や人物に対し、馬鹿には気がつけないよう、遠回しに皮肉を言うこと。諷する。
ふうせいかくれい【風声鶴唳】
ローン返済者が、風の音や鶴の鳴き声にさえ、借金取りが来たのではないかと驚き恐れること。
ふうてん【瘋癲】
あっちへふらふら、こっちへふらふら、風の向くまま気の向くままに。貧乏人が旅をする際の、基本姿勢のひとつ。
ふうふ【夫婦】
夫が金を稼ぎ、妻が注文を行い、夫が商品を受け取りに来るといったような分業制の確立された、家族を表す単位のひとつ。
ふうみ【風味】
本来、洗練された味のことを表す言葉であったが、現在では、○○風味というかたちで似て非なる人工香料が使われていることを表す言葉になってしまった。
ブーム
知った頃には下火になっている、踊らされると馬鹿を見る流行の総称。
ふうらいぼう【風来坊】
旅が日常になってしまった、定まった家など必要としない貧乏人。
ふうりゅう【風流】
寒きものなり。
ふかのう【不可能】
タイムマシンでの時間旅行や、ワープ航法など。松阪牛やフォアグラを食すことくらい、そのうちには可能になるかもしれない希望はあるから、これにはこの言葉を当てはめたくはない。前沢牛は喰ったし。
ふごう【富豪】
奢ってくれるんだったら、友達になってやっても良い人々。
ぶしょうもの【不精者】
半径一メートル以内に生活必需品が散乱している人。
ぶたはふとらせてくえ【豚は太らせて喰え】
税務署がネットオークションを放置している理由。
プチブル
プロレタリア階級のくせに、僅かばかりの貯金やみみっちい借金でブルジョワの真似事をして喜んでいる中流人種。
ふつかよい【二日酔い】
酒による覚醒を遂げた翌日の、どうしようもない各能力の鈍化。アルバイトを休む羽目になる、唯一の原因。
ふところ【懐】
心の中、考えを表す場合と、金銭状況を表す場合があることから、あまり好ましくない言葉である。金銭状況に応じて心の状況まで変化するかのような印象を与えるからだ。
ふとん【布団】
冬の天気が良い日に天日干ししたものなどは、麻薬である。
ぶな【山毛欅】
ブナ科の落葉高木。山地に生え、実は食用になり、油もとれる。椎茸が生えている可能性あり。
ふはい【腐敗】
行っておくべき手間を惜しんだばかりに訪れる、食材との別れ。行っておくべき手間を惜しんだばかりに訪れる、政治の状態。
ふゆ【冬】
灯油が必要。
ふゆかい【不愉快】
否定論でしか話をすることができない偽善者を目の前にしたときに起こる、心の動き。
プラグマティズム
実用主義。現代アメリカの代表的な哲学とされ、日本でも似て非なるものの氾濫に貢献している。
プラスチック
製品の消耗部分に多用することにより、製品寿命を短くできる魔法の素材、もしくはゴミ。
ブランドしんこう【ブランド信仰】
カタログ文化によってでっち上げられた、知名度と値段が価値判断のすべてという偶像崇拝。
ブランドもの【ブランド物】
貧乏くさい連中に一点豪華主義というゴージャスを与えるための小道具。
フリーランス
自由契約という名の下に、複数の主人を抱える飼い犬。
ブルーギル
淡泊どころか、味がない。そのくせ、骨はごっつくさばきにくい上に身は少ない。塩・胡椒を使えば塩と胡椒、カレー粉を使えばカレー粉の味しかしない。唐揚げにすれば、衣の味しかしない。ただし、酒で煮込むと鰹出汁風の味が出る。
プロフェッショナル
最後の詰めの作業を完璧にこなすことで、生み出したものから収入を得られる、その道の専門家。近年、アマチュア化が激しいのは、詰めにかかるコストを渋る傾向にあるからだと思われる。
ぶんかじん【文化人】
現代人に不足がちな栄養素のひとつ。
ぶんじゃく【文弱】
確かに、筆者は弱々しい。
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へいい【弊衣】
貧乏人の衣服。多少の綻びなどは、重ね着と裁縫で補える。
べいえんのし【米塩の資】
米と塩を買う資金の意から、生活費のこと。できれば、味噌も欲しい。
べいか【米価】
ある意味で米本位制の貨幣感覚を持つ貧乏人としては、非常に重要となる、米の値段。
へいきん【平均】
中庸意識に縛られた人々が最も気にするところの、中間の値。
べいせん【米銭】
米を買うための費用。
べいしゅう【米収】
貧乏人の生活を左右する、米の収穫量。
ペーパーナプキン
和紙が高価な物になってしまった現代、煙管掃除に大いに役立つ無料入手可能な紙製のナプキンもどき。
へきせつ【僻説】
当辞書のような意見。当辞書のような主張。
ぺこぺこ
空腹を表すには、あまりにも芸のないありきたりな言葉。奢って欲しければ、もうすこし訴えかける表現を身につけるべき。
ベジタリアン
庭の雑草を食べる際の言い訳。
へそくり【臍繰り】
こっそり、ちまちま、内緒で貯めた金。もちろん、貧乏人にはそんな余裕は皆無である。
べたぼめ【べた褒め】
奢られているときに、財布の主にたいして取るべき行動。奢られているときだけは、絶対に逆らっては行けない。
べっかん【別館】
歴史ある本館からちょいと離れた場所に建設された、貧乏くさい建物である場合が多い。本来、卓球台があるべき大浴場前のロビーに、テトリスや腕相撲のゲーム機が置かれていたりする場合もある。
へっつい【竈】
泥を練り固めて作ったかまど。作ろうにも土間がなければ難しく、現代人はおとなしくガスレンジを使用するより仕方がないと思われる。
ヘルペス【ヘルペス】
ウイルスによる水疱などを伴う皮膚病で、痛痒い。栄養や睡眠が不足がちになり免疫力が低下することで発病することから、貧乏人にとっては健康のバロメータとされている。
へんさい【返済】
ローン返済者は、これのためだけに生きることを許されている。
へんじん【変人】
自分のやりたい事が生活の中心になってしまったため、世間の人々が常識的なものと思いこんでいることには無頓着になってしまった状態。
べんとう【弁当】
外出先で食べるために、アルマイトの容器に御飯と梅干し、もしくは御飯と海苔を詰めたもの。
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ぽい
〜に似ている。〜に近い。〜のような気がする。けれど、けっしてそれではないことを意味する。「牛肉っ−」「夏っ−」
ぼういんぼうしょく【暴飲暴食】
奢ってもらえた際に行う、胃袋の限界を追求した飲食行為。
ほうしょくのじだい【飽食の時代】
貧乏人にはあまり実感のない言葉であるが、右を向けばハンバーガー、左手にはコンビニ、西にはファミリーレストラン、東には回転寿司という、世界中の料理に似せられた食べ物がいつでも食べられるけれど、誰も本物を知らないと言う満足感からは縁遠い時代。
ぼうでんち【棒電池】
懐中電灯の別称。
ほうどう【報道】
これを行う側の人間、もしくは組織に金を出している人間、もしくは組織の意に添うように加工した情報を、メディアを用いて垂れ流す行為。
ボーナス
木・竹・金属などを素材とする、手に持てるくらいの細長い形状のものに、電球の形状に似た暗い紫色をした実を刺したものらしい。年に二回、主に夏と冬が旬で、この時期には知人に奢ってもらえる可能性が高くなる。「さあ、決戦の時は来た、今夜こそは叫ぼう、他人の−万歳と」
ほし【★】
かつて、岩波文庫の価格表示として使用されていた記号。創刊当時は、約百ページを★ひとつ二〇銭としてはじまり、カレーライス一杯と同等であった。一九五〇年以降は三〇円、五〇円、七〇円と値上がりし、一九七九年には☆ひとつ一〇〇円、★ひとつ五〇円となるが、一九八一年四月以降は記号による価格表示は廃止された。「ローソクの科学って、−ひとつだったから、みんな岩波文庫に目覚めたときには買って読んでるんだよ。ローソクの科学を知ってる奴は、大抵は科学系か、変人だよ」
ほしい【乾し飯】
乾し飯 炊いた御飯の残りをざるにあけて水洗いし、天日で干したもの。湿気のない場所であれば、常温で十年以上保存でき、粉にしてお湯を注ぐだけで食べられるし、雑炊にしてもよい。
ぽじふぃるむ【ポジフィルム】
ポジティブなフィルムのくせに、その心の狭さゆえに露出が三分の一ほど違うだけでも使いものにならない。
ほしょう【保証】
念書。
ほじょきょうざい【補助教材】
教育機関に利権を生じさせるための小道具。
ほしん【保身】
地位にしがみつくためにあらゆる手段を講じて取るべき責任の回避を図ること。
ほぞんしょく【保存食】
塩漬け、乾燥、密閉などにより、高温多湿さえ避ければ長期保存のできる食料。現在では、越冬、飢饉に備えるという本来の目的は薄れ、家事の手を抜く為の食品へと変化し、賞味期限という不名誉を与えられるに至った。
ぼち【墓地】
日本が土地に依存した経済を行っていることを証明する、数々の物語を生み出す遺骨の格納場所。
ほん【本】
情報が印刷された紙を束ねたもの。これほど流通が複雑な物も珍しく、すなわち問屋から小売店、小売店から消費者、消費者から古本屋、古本屋から、ようやく貧乏人へと供給される仕組みとなっている。使い方についても、これほど複雑な物も珍しく、行と行との間にある空白の隙間、すなわち行間を読む能力が要求される。
ほんかく【本格】
よく似た。「−中華」
ぼんさい【盆栽】
穿られたり挿し木されたり針金で巻かれたり鉢を替えられたり猫に倒されたり子供の打球を受けたりして育てられた、鉢植えの草木。大地に根を張ることも大木に育つことも許されない。育て主、飼い主の思い通りに育たなければならないあくまでも植物。
ほんしつ【本質】
ものごとの、いちばん簡単で、いちばん気がつけない性質。貧乏人には、これを見極める能力が必要とされる。
ほんだな【本棚】
そのうち読もうと思っている本と、いつか資料に使えると思っている本、それに、自分を偽るための難しそうな題名の本を並べておくための棚。読みたくて手に入れた本屋、いま必要な本は、かならず書斎や枕元に放り投げてあるものであり、常に必要な辞典は本棚に戻ることなど滅多にないのである。
ほんだなのがらすど【本棚のガラス戸】
本を飾りものに仕立て上げるための存在。ガラス戸付きの本棚に納められたブリタニカなどは、新品同様と考えて間違いない。
ほんもの【本物】
文明によって育まれた文化の裏付がある、存在に意味のあるもの。
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