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いいひと【いい人】必要かと言われると、そうではない人。「どうでも−」「いなくても−」いいふらす【言い触らす】「私、貧乏なんです」と周囲にもれなく伝えておくと、良いことが多い。それによって、離れていく人間、馬鹿にする人間は、なにもくれないから不要である。いえ【家】多くの人々が私的で自由な空間であると認識している、生活のための住まい。賃貸物件での一人暮らしならばそれも可能であろうが、家族を伴う場合、家すらも社会であり、個人の自由は家族の総意に押しつぶされる運命にある。いかもの【如何物】エノケソ。いきざま【生き様】日本語には、死に様しかない。いきじごく【生き地獄】ゆとり返済のローンにてマンションを購入した人間の、十年後にむかえることになるであろう生活の俗称。いきる【生きる】食物の摂取と排泄、睡眠により、最低限の生が保たれる。生きているという実感は、極度の空腹時に味わうことになる。これを味わうことなく、自分の時間の多くを会社勤めで消費し、その代償である賃金を餌に浪費して生きる人間は、不幸であると言える。生きているという実感は、生きたいという実感でもあり、より強烈な生を営むための起爆剤といえるからだ。いける【生ける】根菜のヘタを水に浸けて葉を育てること。いしだばいがん【石田梅岩】(1685-1744)倹約・節約の神様として、節約家ならば誰しも知っているはずの人物。いちおくそうびんぼうじだい【一億総貧乏時代】安保自動継続、ベトナム戦争終戦などによりイデオロギーの絶えた八〇年代から始まるカタログ文化、マニュアル文化などの流れにバブル経済崩壊という爆弾が加わることによって生まれた、考えることを放棄した人々が貧乏へ転がり落ちるという社会の流れ。これに巻き込まれる前に、自ら貧乏に降りていく者こそが、真の貧乏人である。いちじょう【一畳】かつては千円の頃もあったというが、現在では三千円が上限とされている。それ以上、高い貸家に住んではいけない。体格により若干異なるが、座って半畳、寝て一畳。立ったら三十平方センチメートルと考えられる。いちまんえんさつ【一万円札】家賃を支払う際、数時間だけ財布の中に存在する高額紙幣。十万円硬貨なんて、見たことがない。いねかり【稲刈り】稲穂の実った稲を収穫することで、体のすべての機能を酷使する作業。鋸刃の鎌を用い、左手で稲を握り右手に握った鎌で一気に引き切る。このとき、稲を握る手は親指が上、小指が下になるように順手で握ること。小指なら、万が一に失ったとしても、親指を失うよりは不便しないからである。また、鎌は稲を一気に切るのに必要な力以上に握ってはいけない。無駄に力を込めて握ると、足を取られたときにカマを離すことができず、手首から先をごっそりと失う羽目になるのだ。手首を切ったくらいではなかなか死なないが、手首を切り落とせば、人は簡単に死んでしまう。四〜五株をひと束にし、四束ほどをハの字になるように交互に重ねたら、五〜六本の藁で束ねる。いふく【衣服】衣食住のうち、食の次に考えるべき項目。寒さに耐え、警察のお世話にならずに済むものである必要がある。年齢別に検証した場合、一般には、二十代でシャネル、三十代でイトーヨーカ堂、四十代でサンキとなるが、貧乏人は、二十代でもサンキを選択しなければならない。いやし【癒し】「癒されたいんだったら、ちゃんと傷ついてから来いってんだ」 …… 鯖吉老人いんえいらいさん【陰翳礼讃】蛍光灯を購入する費用が無く、裸電球で暮らしていることを正当化するために唱える、一種の呪文。インスタントしょくひん【インスタント食品】法的に認められた麻薬。頼りすぎると、個人経済に大きな支障を来す。インパクインターネット博覧会の略。アクセスするも、旧式の端末では処理が間に合わず、古いパソコンを一掃して経済を動かそうとするIT革命の一端を確実に担っていると言える。 |
うえとさむさ【飢えと寒さ】貧乏人が、常に立ち向かうもの。うおうさおう【右往左往】役場に行くと、そのあまりの不案内の為にこの状態に陥る。うげつものがたり【雨月物語】一七六八年に上田秋成(1734-1809)が書いた、貧乏教本。うさばらし【憂さ晴らし】北京亭でラーメン三百五十円+玉子チャーハン三百五十円をやけぐいする行為。または、ブックオフで百円の本を十冊ほど購入して散財する行為のこと。うそ【嘘】満腹でも、「飯はくったのか」と聞かれたら「まだです」。うたげ【宴】自分のアパートを会場とし、安い材料に手間という無料の調味料を加えて、ぼったくる行為。必ず主催者となり、自分の会費はごまかす。酒は極力、持ち込ませること。うっとり欲しい物や明らかに旨いとわかる喰い物を目の前にしたときの、愛でるような気持が全面に溢れた精神状態と表情。うぬぼれる【自惚れる】自分を客観的に見る能力が不足し、実力以上の存在だと思いこむこと。たまには自惚れでもしないと、こんな辞典をひとりでちまちまと編纂する気力は維持できない。うまい【旨い】奢ってもらった際に連発すべき言葉のひとつだが、本来は塩辛のおいしさのこと。うらちょうぼ【裏帳簿】懐にしまうための金の詳細で、脱税の決定的証拠として押収される運命にあるもの。うらない【占い】おもてもない。うらやましい【羨ましい】他人が努力して得たもの、他人の生まれ持った才能、他人が得た幸運を知ったときに抱く感情のうち、表に出しても差し支えのないもの。「隣で旨そうなもん喰ってる奴を見ると、−・くて腹が減る」うわさ【噂】その場にいない者に関する真相の曖昧な物語で、その真相不確かな内容によっていちばん利益を得られる者が発信源であることが多い。うわめづかい【上目遣い】あと一歩で奢ってもらえそうなときに用いる、相手の財布に対して服従する用意のあることを示す態度。うんでいのさ【雲泥の差】途方もないくらいに大きな差があることであるが、泥が大地と水を指しているとすれば、泥がなければ雲も存在しないのである。 |
えいえん【永遠】別れにのみ存在する。えいきをやしなう【英気を養う】能力を十分に発揮できるようにと自分に言い訳をして布団に入ること。えいようか【栄養価】腹一杯に喰えるようになってから考慮すべきこと。エクタクローム表記されている感度と、実効感度のギャップに悩まされること。好きだけれど、なかなか買えない。本気モードの証。フィルム装填に失敗すると、真っ黒なフィルムが切られもせずに、フィルムケースに入れられて返却される。もちろん、現像代は徴収される。なぜならば、ちゃんと現像された結果が真っ黒いフィルムの帯だからである。エコー愛煙家が車の運転などのときに用いる、フィルター付きの煙草。エコノミー飛行機の座席に関する、ファースト、ビジネス、貨物に次ぐ四番目のランク。えさ【餌】コンビニ弁当やファーストフードなどを指す。主にグルタミン酸ソーダや人工甘味料を多用した、似て非なる食べ物。えせ【似非】若干、なんとなく似てはいるけれど、所詮はその場しのぎのゴミでしかないもの。似て非なるもの。なんとか風、なんとか的。なんとかくさい。エリート用意された問題を解く方法を教育によってたたき込まれた成果を遺憾なく発揮し、東京大学で四年間ほど隔離された人間。試験という受け身のスペシャリストである彼らに、自分から問題提起をするという発想は存在しない。えんぎ【縁起】かついだところで、なんになるのさ。 |
オーエス【OS】かつてはパソコンをめざましく発展させ、今では限界の要因にまで落ちぶれた箱の中の時代遅れ。おおぶろしき【大風呂敷】能力を誇張して訴える際に広げることで知られ馬鹿にされがちだが、広げようにもある程度の努力が必要な大きな四角い布。おうよう【応用】基本の組み合わせ。おかね【お金】人は、水を飲まなければ死ぬが、溺れ死ぬこともある。おかねがない【お金がない】世間一般では、「遊ぶお金が足りない」の略。我々貧乏人にとっては、辞書を引くまでもなく、そのままの意味の状態。おかゆ【お粥】米一合に対し水六〇〇ccを入れた鍋をストーブの上に一時間かけたもの。少量の米でも腹を満たすことができる。おくびょうもの【臆病者】貧乏する勇気がなく、現在の生活を維持するために借金を背負う人間のこと。おけら【螻蛄】ケラの俗称。もしくは、知人縁者に対し、物乞いしなければならない状態。おごり【奢り】万病、とくに空腹に効くとされる行為。うけるに限る。己の人脈を計るバロメータ。おごる【奢る】無い袖は振れない。貧乏人たるもの、余計な見栄は張らないほうがよい。おもいで【思い出】これのなかには、未来を探すことはできない。おゆわり【お湯割り】トリスやレッド、または安い焼酎を呑みやすくする、冬に嬉しい酒の呑み方。砂糖を加熱してカラメルにし、そこにトリスとお湯を注いで呑むなんていう素敵な呑み方は、勿体なくて教えられない。おんな【女】酒なしでも宴会可能な種族。 |
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