貧乏日記

Dec 21,2005 01:51

 東京で打ち合わせが二件。

 TXで守谷駅に着くと、丁度、登りはじめの赤い月が東の空に見えた。列車の中からも、月はだんだん黄金色へと移ろいながら付いてくる。たまに月を遮るのは、駅のホームか、雑木林ばかり。

 そんな月を見て思い出すのは、さっきご馳走になった親子丼のことばかりというのがなんとも。砂糖文化の極致ではなかろうかという絶妙な親子丼。あれは、卵と肉が強さを持っているからこそあそこまでの甘さが活きるのだろうなあ。

 砂糖と生姜の使い方が得られたこと、感動と呼びたい。

Dec 18,2005 03:22

 すうすう。

 夜、強い風にうちつけられるたびに、足下にすびゅうと冷気が。ああ、たぶんこれはあそこの穴からだなあ。アース線を通すのに丁度よいから軽く塞いだだけのところだ。その風に連動するかのように、天井板がばたばたと音を立てている。

 春になったら、穴を塞ぐついでに書斎の配置を変えよう。ついでに、畳を上げて新聞紙を敷いておこう。コンセントの口も変えたかったんだなあそういえば。ついでに、裸電球の位置も勝手のよいところを探して移してみようか。

 辞書だけで幅一メートルを確保しないと駄目だなあ。

Dec 15,2005 02:15

 馬鹿しかおらんのかこの国の政治家役人どもは。

 なにかといえば煙草の税金を引き上げることしかできない無能者よ、なにが外国はもっと高いからだ馬鹿。だったらガソリン安くしろ。雪国は無料で温水が出るようにしろ。年金は無条件で全員に支給だ。医療費なんか只にしろ。毟ることだけ合わせてねーで国民へのサービスも合わせろ馬鹿。

 敗戦後に米国に隷属して自国の文化をないがしろにしてこんな結果を生んだくせに、外人に寄生されて食い物にされ続ける現状は無視して蔵まで解錠しようとしながらそのツケはぜんぶ国民に押しつける。そんな国が軍隊を持ったところで本当に自国を守るのか、銃口をどこへ向ける気なんだ連中は。

 もう鎖国しろ、いっそ主権を幕府に戻せ、黒船なんか安宅で追い返せ。

Dec 05,2005 02:32

 ボジョレーヌーボーは二回呑んだ。ただで。

 湯気の嬉しい季節は、味噌の消費が激しくなる。肉、魚、野菜、汁に合いそうな物はなんでも入れて、具だくさんというか具の合間に汁がいるようなのを作ると、それだけで食事も体温も賄えるという寸法だ。

 水が減ったら足し、味が薄くなったら味噌や醤油を足し、甘みが欲しければ砂糖を入れ、具がなくなったら加え……なんてやっていると、鍋がいつまでたっても空かない。そろそろ、鍋探しをしてもよいのかもしれない。

 あ、コーヒー豆の空き缶を貰ってくればそれで済むか。

 

Nov 24,2005 03:53

 ロールケーキをごちそうになった。

 しっかり甘くて存在感と充足感に満ちていて、でもちょっと重い感じで合わせる飲み物に工夫がいるなあというケーキ。まあ、東京ならこのくらいのケーキは見つかるよなあと思っていたら、出所がつくば市と聞いて驚いた。この食文化不毛の地でこれほどのケーキが! と。

 こうやって、じわり、じわりと、電車の力が吹き出してくる感覚は、日々、少しずつではあるけれど伝わってくる。旨い物も、おしゃれな景観も、増えていくのだろうとは思う。残さなければならない物さえ見失わなわずにいられたならばよいのだけれど。

 人も街も、簡単なことほど難しいのだ。

Nov 17,2005 05:52

 ストーブ点火。

 火鉢とストーブのコンビがあれば、火力は自由自在。静に温め続けることは火鉢に、加熱し続けるときはストーブに、乾物を炙るならば火鉢、コーヒーを飲むならストーブ、お茶を煎れるなら火鉢。ぐつぐつと、なにかしらが乗っかっていることになる。

 明け方も、遅くなってきた。冬の長い夜はけして快適ではないけれど、冬にしかできない楽しみは多い。今年は灯油が高いから、ちょっとした“装置”をこしらえて、元を取ろうかと思う。

 題して、夜の達人。深い意味はない。

Nov 16,2005 03:46

 かなり寒いような気はする。

 室内でも吐く息が白い。さすがに灯油ストーブがないと無理かと思ったけれど、とりあえず火鉢に炭を熾したらなんとかなってしまった。もっとも、股引、腹巻き、毛糸の帽子、ジャンパーという、真夏なら富士山頂でも間に合いそうな装備ではあるけれど。

 なんて書いているうちに、ふと、畳を這う冷気が一段階強まった。気がつけば、一日でいちばん寒い時間帯。焼酎のお湯わりに生姜糖を溶かしてもう少しだけ頑張ってみよう。もう、ストーブを出すのは面倒なくらいには酔っている。

 暖かいうちに掃除と整備をしておくべきだったなあ、灯油ストーブ。

Nov 06,2005 00:42

喜多方ラーメン  帰ってきた。

 運転手が三国峠で猿を轢きそうになったり、新潟で職務質問されたり、五色沼がすべて青かったりしたけれど、無事に帰ってくることができた。今夜は布団で眠ることができる。どれだけ幸せなことか、布団。

 毎年、各地を廻りながらもまるで名物を口にしない日々を過ごす旅だけれど、今回は喜多方ラーメンを喰う機会に恵まれた。素朴なよいラーメンだったが、あれは寒いときに喰うことでより深まる、そんな気がした。

 写真に関しても、機材とはなにかを考える旅になった……はず。

Nov 03,2005 01:08

 自衛手段は銀食器しかないだろうか。

 明日というか今日だけれど、紅葉狩りに出かけてくる。こう書くと、なんだか洒落た雰囲気が漂うけれど、車中泊・無計画な弾丸撮影ツアー。不安しか残らぬ先行き不透明な物語。

 カメラ、レンズ、フィルムが八本、ディジタルカメラ、露出計、それと寝袋に、非常食。当たり前のように非常食を用意するような道中。せめて、どこかで温泉に入りたい、それだけが唯一の望み。

 だいいち、行き先が決定していなかったりする。

Nov 02,2005 03:09

 最近、酒に弱くなったかもしれない。

 ビールの一本もご馳走になることはよくあるけれど、たまに、突発的な宴会状態に縺れ込むこともある。スポンサーから手渡された二千四百円を握りしめ、つまみとビールを買いに走る。

 「生ものがいい」との意向に添った形で、ナマコ、マグロ、イカを購入。これで、三色、三品。スーパーには指定されたビールがなかったから、これはコンビニで買い求め、お釣りは数十円。

 秘蔵の日本酒も飛び出し、財布を痛めずほろ酔いの夜。

 

Oct 30,2005 01:33

 思い出したら腹が減った。

 ようかんさんの連載を掲載すべく作業中、タイトルにつかっている写真ってそういえばどこの羊羹だったっけ、などと考えしばらく思考が宙に舞う。ああ、そうだこれは舟和だ、と思い出す。

 喫茶店に行ったら、誰かの土産で出てきたのが、あんこ玉、芋ようかん、栗むしようかんの三点セット。蜜豆もあれば完璧だけれど、さすがに日持ちの関係があるから仕方がない。

 というわけで、蜜豆だけはまだ喰ったことがないことを思い出したわけだ。

Oct 26,2005 00:12

 東京に行ってきた。

 初めて常磐新線に乗ってみたけれど、鉄道の力を見せつけられた気がした。往復切符を使うことでいままでより千円安く、三〇分は確実に、もしかしたら一時間くらいは早く着く。

 おかげで、帰りの電車で贅沢に缶ビールでも呑んじゃおうか、という旅気分は随分と薄れてしまった。これも、鉄道の力なのかもしれない。寝台列車は次々と廃止され、日本は、どんどん小さくなっていくのだ。

 あ、そういえば常磐新線じゃなくてTXだったっけ正式名称。

Oct 22,2005 22:16

懐中時計…?  まだ頭が重い。

 会社を辞めるときに貰ったものだから、もう……何年だかすぐに思い出せないけれど、ディジタル腕時計のベルトがすでに崩壊寸前で、だいいち、僕の細い腕に巻くと一番小さな輪にしてもくるくる回ってしまう状態であったから、電池交換のついでに懐中時計にしてみた。

 片方のベルトを取っ払い、もう片方のベルトを折りたたんで輪を作る。そこに適当な金具を通し、自己融着テープで留める。時計裏側のゴム部分も、邪魔な部分を切除。象が踏んでも壊れにくそうな懐中時計に生まれ変わった。

 パッキン変えてないから防水は期待できないなもう。

Oct 21,2005 01:11

 風邪がかれこれ一週間以上。

 熱もたいしたことはなく、あとは咽の痛みと鼻が出るくらいの軽い風邪だと思っていたのだが、これが続くとさすがに体力の低下が激しい。そろそろ髪の毛を刈らなければと思っていたのに。

 豆腐と鱈を買い、火鉢に火を熾して湯豆腐で暖まる。それでおとなしく寝ればいいのだが、この組み合わせに酒のないことがどれだけ不自然であるかは、もう明白なのだ。つい、茶碗に一杯ほどきゅっと。

 薬食いのつもりで悪化させてどうする。

 

Sep 28,2005 20:21

それは秘密です  特集は誠意作成中なのかもしれない。

 一週間ほど前までは、決して外出できないような格好で過ごしていた夜がなんだか肌寒く、作務衣の上にもう一枚、羽織っている。しみしみと訪れる秋、けれど夜はあまりにも短い。

 明日は、頂き物の新米を精米してこよう。新米だからには、やはりそれに相応しいなにかが欲しい。そういうなにかを考えながら過ごす夜は、あっけなく短く朝になる。ひとりだけの、静かな前夜祭。

 静寂はまもなく、直下型のコオロギに打ち破られたが。

Sep 27,2005 15:51

蚊遣り豚  秋刀魚五八円、牛筋三〇〇グラム一五〇円。

 この時期に蚊取り線香の在庫が切れた。だが、まだまだ毎晩、蚊は耳元で近く遠く囁く。仕入れるべきか、我慢すべきか、悩みどころだ。

 追い払うために短くちぎって火をつけるだけだから、誰かに一本を分けてもらえば済む話ではある。でも生憎、この時勢に蚊取り線香を使う家などあまりない。なんで蚊を追い払う程度のことでコンセントを用いるのか、僕にとっては不思議なことだけれど。

 まあ、機密性の高い屋内で一本まるまる使えば気分も悪くなるか。

Sep 24,2005 02:50

名刺  町内のスーパーが閉店するらしい。

 ここの広告は裏が白で、手触りもザラッとしていてインクジェットもほどよく滲み、名刺を作るのにもってこいだったのだ。出せば必ず笑い者にされた名刺であったが、それももう、過去になろうとしている。

 裏白チラシなら他にもあるよ、と皆が声を掛けてくれるが、違うのだ。すべて、ジャパンフードのテンポに合わせてデザインしてある以上、旅行代理店や不動産会社のチラシでは、納得のいく名刺にはならない……そんな貧者のこだわりは届かない。

 竹にでも刻もうかなあ……刺だし。

Sep 22,2005 01:19

 事故っちゃった。

 夜なべ続きで体力の限界だったのか、前方車両の急停止への対応が遅れた。ブレーキを踏みながら対向車が来ないのを確認してハンドルを切り、頭から突っ込むのだけは避けるという中途半端な技量を発揮するも、左側面がべっこりと……。

 こういう時は悪いことが重なるのが定石だから、注意して暮らすことにしよう。車も自走できるし、はげた塗装にスプレーでもしておけばいいだろう。へこみは記念にいつまでもそのままにしておこう。

 もしも対向車があったら怪我してたなあ。

Sep 15,2005 17:43

 涼しさが這い寄る夕暮れ。

 幻冬舎のWebマガジンにエッセイを載せてもらえることになった。連載を始めた雑誌が創刊二号で消え去った過去もあるけれど、ウェブでのことだし、打ち切りにならなければしばらく続くと思う。

 このてのものは、ある程度のプロットを定めてから始めていると思うだろうけど、実はなんにも決めてない。タイトルも、原稿だけ提出して編集者に決めてもらったのだが、これによって昭和というキーワードで書けばよいことになったわけだ。

 行き当たりばったりの観察としても楽しめるはず。

Sep 09,2005 07:14

夏の終わり、ときどきこんな夕暮れがある  痒い。

 今年もまた、あれの季節がやってきた。日曜日にスタートしたのだけれど、豪雨で稲刈りどころではなくなったのか、週明けから一昨日までは一時休止。そしていま、玉のような汗にうなされる夜をまたひとつ超えた。

 気がつけば、一晩中を腰掛けていたクッションがびっしょりである。水分はこまめに摂らなければならず、冷たい物だと余計に危険なため、暖かいものだけを飲み続けた結果は、乾かせば白く結晶となって浮かび上がることであろう。

 さすがに、そんな塩は僕でも使う気にはならないけれど。

 

Aug 28,2005 22:38

 饅頭を半分貰った。

 大判カメラを借りてきた。撮るのは四カット。フィルムは一四枚あるので、一カットあたり三枚は使える。最近、気がつけば月六万円台で暮らしていたりもするので、現像代もなんとかなる。

 おそらく、僕にとってはなんの変哲もない写真になるのだけれど、それはたぶん、世の人々にとっては歴史資料館でも見るような感覚になるだろう。そして、この資料館は、時が止まっていないのだ。

 死体的資料写真と比べても仕方がないが。

Aug 26,2005 01:58

 微妙な一品。

 思いつきで作る料理は、下世話感が嬉しいこともあるが、旨い! と額を叩くようなものはなかなかない。今夜もまた、腕組みをしたくなるようなものを作ってしまった。素麺で作る、カルボナーラ。

 いや不味くはない。塩漬け肉を削り、玉葱を刻み、牛乳と、最近、やっと値頃感の戻りつつある卵、それに塩と、黒胡椒を利かせた味付け。それは、いつものカルボナーラだ。だが、なんだろう……そうだ、あれ、あれだ。

 ピザトーストのような感覚と言えば、三〇%ほど似ている。

Aug 16,2005 11:49

 でかい地震だ。

 東北地方を中心としたものらしいが、石下もかなり揺れた。というかまだ揺れている。家がぎしぎしと唸るのが聞こえてきた。ガラスもビリビリと振動していた。それを、神妙な面持ちで聞いていた。便所で。

 和式だ。その格好はあまりに無防備だ。最初は、あれ、しゃがんでいるのに立ちくらみか、と思った。徐々に強くなる揺れ。縦揺れがなかったから大丈夫だろうと判断しながらも、この姿で発見されたらという不安は拭いきれなかった。

 それでも冷静にお尻は拭っておいた。

Aug 09,2005 22:57

 お昼は素麺と、紫蘇の天麩羅。

 知人に頼んで、一本一九八円のサラダ油を買っておいてもらった。新聞を取っていないから広告を見られないし、買い物自体、頻繁に行くわけでもないから、なかなか油の特売に巡り会えずにいたのだ。

 油なら、たとえ一斗缶で貰ったって十分に消費できる。特に夏場は、積極的にこいつを摂取しないとどうしてもバテ気味になってしまうから困るのだ。ちょっと油控えめ生活だったが、これでまた炒め物三昧も可能だ。

 そういえば、しばらく体重を量っていないな……。

Aug 08,2005 05:06

 もう八日か……。

 アルバイトから帰ってきたのが一五時過ぎ。きっと、このまま密室だった家に入ったらと考えただけでも汗の噴き出る夏の午後だ。ふと見れば、知人が洗車用にと置いていったホース。これを使って、壁、屋根、窓、庭に壮大な打ち水を行ってみた。

 なにせ水道代はどんなに使っても基本料金を超えた試しはなく、知人にも、いつでも洗車しに来るよう伝えてあるほどだ。まんべんなく濡らされた家屋に入り、窓を開ける。水滴にまみれた網戸を抜ける冷風に安堵し、一眠りして起きたら深夜零時を過ぎていた。

 また、暑い一日が始まる。

Aug 02,2005 00:53

 お知らせ欄の色遣いが懐かしい。

 そういえば、八月で耐乏PressJapan.は創刊六周年だ。実質、五周年から一年間は休んでいたようなものだけれど、そこは開き直って立派に六周年を言い張り、ひとり祝いたい気分にもなるというものだ。

 が、しかし。そのまえにひとつだけでっかいのが立ちはだかっており、そいつの合間に最後の月刊としての会報誌作りおよびリニューアル作業。実は、新しい投稿のラインナップはまだ決まっていなかったり……。

 はいはい、やりますやりますと二方向に向かって小さくまるまりながらいやはやなんともはや。

 

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